5月、6月に続き7月の句会の兼題も、夏の季語。
植物の季語「向日葵」と、天文の季語「雲の峰」は、夏の風物詩そのものだ。
「向日葵」は、夏の象徴ともいえる誰もが知る花であり、太陽のイメージを持つ。華やかさ明るさ、さらに強さハツラツさを感じさせる季語である。
傍題に、「日車(ひぐるま)」「日輪草(にちりんそう)」「天竺葵(てんじくあおい)」「天蓋花(てんがいばな)」などがある。
向日葵の一茎一花咲きとほす 津田清子
この句のように、向日葵の咲く様や性質を真っ直ぐに詠んだ句も多いという。
向日葵に剣の如きレールかな 松本たかし
またこの句のように、「剣の如きレール」と、対比するものを置く場合、季語「向日葵」に負けない強さのあるものを持ってくる必要があるそうだ。
花の大きさ、黄色という色のインパクトの強さには、それに対抗できるだけのものを置かないと釣り合わないということだろう。
「雲の峰」は、入道雲がせり上がる様を山にたとえた季語。
傍題に「峰雲」「入道雲」「積乱雲」「雷雲」などがある。
真っ白く青空に湧く入道雲だが、雨雲、雷雲をうちに秘めている。ただ爽やかな一面のみを持つ季語ではない。
先生が揚げた例句は、こちら。
一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子
父親を亡くした夏に、詠んだ句だそうだ。
「雲の峰」は、存在感の大きさと重さを持つ季語である。故に、それに見合った強さのあるものを〈二物衝撃〉で併せるとよい、とのことだ。
また、上五に季語を持ってくるならば、そこからはみ出さないもの、収まるものを置く。雲の峰の下で起こる出来事として違和感のないものが、読者にすっと入っていくという。
例句は、こちら。
雲の峰一人の家を一人発ち 岡本眸
わたしの句は、こちら。
顔のなき石の仏や雲の峰
『20週俳句入門』の「俳句の型・その2」を使い、詠んだ。もう一句は、「俳句の型・その1」で詠んだ。基本の型で詠む、というチャレンジをしている。
「型・その1」で詠んだ向日葵の句については、明日。
来月、8月の兼題は晩夏の季語「花火」と、秋の季語「残暑」。季節は、秋へと動きつつある。
久しぶりに、八ヶ岳がくっきりと見えた一昨日の朝7時半。2階の窓から。
写真を撮りに2階へ上がるあいだに、雲がモクモク湧いてきました。雲って、山が作っているのか~と思うような風景でした。
9時半には、もうすっかり雲隠れ。
雲の峰だなあと思いながら、写真を撮りましたが。
10時半には、さらに雲の峰っぽくなっていました。
迫力ある雲の峰でした。
YasuoMaedaが撮った石仏の写真は、こちら。
オマケ。先週見かけた不思議な形の雲。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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