4月の句会。兼題は、「蚕」「春深し」。
「蚕(かいこ)」は、春の動物の季語。「蚕(こ)」「春蚕(はるご)」「捨蚕(すてご)」「桑子」などの傍題がある。
また、春の生活の季語に「蚕飼(こがい)」があり、蚕を飼うことを指す。夏には「夏蚕(なつご)」、秋には「秋蚕(あきご)」の季語がある。
屋根草もみどり深めし蚕の眠り 鈴木鷹夫
蚕室のある家の屋根。緑に覆われているのだろうか。緑が色濃くなる早さで蚕の眠りも深まっていく雰囲気が感じとれる。
これやこのつむりめでたき野良蚕 蛇笏
蛇笏は、身近に養蚕を見てきたのだろう。「蚕」の句で検索すると、すぐに6句見つかった。野良の蚕もいたのだろうか。
「春深し」は、春の時候の季語。傍題に「春闌く(はるたく)」「春更く(はるふく)」などがある。
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じるころをいう。同じ時期を指す「夏近し」に次の季節への期待があるのに対して、「春深し」は春の頂点を過ぎた懈怠(けたい)の気分を宿す。
『俳句歳時記・春』より。「懈怠」は「おこたること」という意味を持つから、春が静かに留まっているような状態なのかと想像した。
長き橋渡りて町の春深し 高橋睦郎
橋の長さと比例する距離感。橋の向こうには、知ってはいても自分の町とは隔たりがある町が広がっている。春はそのどちらにも、深まっていく。
夜をふかす灯の下さらに春深し 木津柳芽
更けゆく夜の灯りに、深い春を見つけた発見のようなものを感じる句。
わたしの句は、こちら。
母の打つ相槌しづか春深し
そうね。よかったわね。いつもそう、穏やかに相槌を打つ母を詠んだ。
来月、5月の兼題は、「風薫る」「万緑」。もう、夏の季語だ。

「春深し」は、映像を持たない季語なので、庭の花の写真を。濃い紫のタチツボスミレ。

薄紫の子もいます。

今年は、元気ないなあと思ったけど、咲いてくれました。

庭で見つけるたびに、石垣のところに移植しています。

植えていないのに、突然咲いた八重の水仙。

植えたばかりのヒトリシズカ。

去年植えた花桃の木。白は3つ花をつけました。

濃いピンクの花桃は、たくさん咲きました。

北側斜面に移植した山吹も、ようやく花盛りを迎えました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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