夫が瑞牆山に登山し、土産を持ち帰った。
きのこだ。
きのこ名人ふたりと登ったので、安心して食べられるという。
シメジの傘を大きくしたような「シモフリシメジ」、黄色く傘が小さい「キヌメリガサ」、シイタケの色を栗色にしたような「チャナメツムタケ」の3種類だ。
ちょうどテレビで旬のきのこ特集をやっていて、県内の産直野菜売り場などでも購入できるスタンダードなきのこのようだ。
「香り松茸味シメジのシメジは、このシモフリシメジのことらしいよ」
夫は、きのこ名人から得た知識も披露してくれた。
「そうなんだ。それくらい美味しいシメジってことだね」
うんちくを聞きつつ、きのこについた土を水でよく洗い流す。
シモフリシメジは、バター焼き。
キヌメリガサは、きのこご飯。
チャナメツムタケは、クリームパスタにした。
どれもきのこの旨みが濃く、山の秋を堪能した。
山には今、きのこたちがにょきっ、にょきっと土から顔を出している。
きのう、買い物の帰りに眺めた瑞牆山は、やや紅葉していた。その山の地面に、きのこたちが今も土を持ち上げ頭を出し、傘を広げているのだ。
そう考えると、遠く眺める山々の息づかいが聞こえてくるような気がする。
シモフリシメジ。
キヌメリガサ。
チャナメツムタケ。
シモフリシメジは、バター焼きにしました。
キヌメリガサは、翌朝、炊き込みご飯に。
具は、油揚げとキヌメリガサだけ。鰹出汁と薄口醤油、みりんで味つけしました。
チャナメツムタケは、ランチのクリームパスタに。
きのこの風味、パンチェッタに負けていませんでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。