ペドロとは、去年ピントで2週間ほど暮らしたときに出会った。
それから、夫がメールで何度かやりとりをして、今年はピントで年越しをしたいと伝えてあった。
写真館を営んでいるペドロは、年末年始、忙しい。写真館のまえを通るとたいていお客さんが何組かいて、忙しいのがよくわかる。
多忙のなか、夫にWhatsApp(海外でよく使われているLINEのようなアプリ)でピントのイベントを教えてくれたり、教会でのクリスマスコンサートに連れて行ってくれたり、エボリの塔の歴史ツアーを申し込んで同行してくれたり、スペインの習慣を教えてくれたり、ロスコン・デ・レジェスをプレゼントしてくれたり。ほんとうに、親身になってくれた。
ペドロは去年、同じく写真家である夫に、こう言ったそうだ。
「自分は写真家として、ここピントの街の人たちを撮り続けている」
どんなに忙しくても、ペドロはお客さんひとりひとりと挨拶を交わし、握手を交わし、「最近どう?」と会話し、それから写真を撮ったり、プリントをしたりする。そのあいだも、ずっとおしゃべりをし、話を聞き、ときには笑い、ときには真剣にうなずく。
彼は、ピントの街を、ここで暮らす人たちを心から大切にしている。この街の人たちは、みんながペドロのamigoアミーゴ(友達)なのである。
だから、遠い国から来たわたしたちがピントを好きになったことが、とてもうれしいのだと言う。
写真館に行く度に、いつも楽しそうにそこにいるamigoを紹介してくれた。いつしかピントでは、日本人の写真家が来ているらしいと噂になっているようだった。
夫が街でカメラを構えていると、「ペドロが言っていた日本人の写真家か」と、何度か声をかけられたりもした。
ピントを離れるとき、ペドロはサプライズだと言って、1点もののカレンダーを作ってくれた。
それは、わたしたちがピントの街で過ごした時間が刻まれたもので、バルのアントニオと3人でカウンターにいる写真や、エボリの塔に上ったときの写真、翻訳ソフトで会話している写真などが12枚。
夫のカメラやスマートフォンにある写真も使い、楽しいものに仕上げてくれた。
13枚目には、日本語で「ありがとう」と印字されている。
「ピントにamigoはたくさんいるけれど、海外のamigoは初めてだ。”ありがとう”という日本語は、絶対に忘れない。」
そう言って、見送ってくれた。

旅の終わりに、ペドロと3人で夕食にいきました。
温かい海老ときのこのサラダ。



聖ペドロのグラタン 黒にんにくのアリオリソース。
「ペドロが、ペドロを食べる」と自分でおどけて言っていましたが、料理が何かは知らないとのこと。白身魚のリゾット添えでした。

デザートのタルトは、赤頭巾ちゃんと狼のイメージだそうです。

夫は、手作りチーズケーキを。

ペドロが選んでくれたレストラン。シンプルお洒落な空間でした。

昨年、オープンしたばかりだそうです。

「Restaurante Gastrobar Jenny Diezma」。

ペドロが作ってくれたカレンダー。お土産にとオリーブオイルも。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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