ロンドンで何を食べようかと、じつは心配していた。
ロンドン名物フィッシュアンドチップスは知っていたが、噂では、ロンドンでの食事はあまり期待しない方がいいと訊く。
何年前だか忘れたが、その頃、夫が乗っていたランドローバーのCMが印象的だった。
「空はいつも曇っていて、おいしいものはフィッシュアンドチップスだけ。けれど、イギリスにはランドローバーがある」という、ある意味自虐的なものだったと記憶している。
だが朝食はアパートでパンと持参した珈琲だったから、名物だというイングリッシュブレックファストを口にすることもなく、フィッシュアンドチップスも先送りして旅の日程は過ぎていった。
イギリス料理というよりは、様々な国のレストランやファーストフード的な店が混在していて、なんでもありなのだ。道を歩いていても、様々な言語が聞こえてくるのだから、多種多様な民族が暮らしているということなのだろう。
結局、スペインバル、中華、ポルトガルチキングリル、シンガポールチキンカレー、アメリカンハンバーガーなど、いろいろ楽しんだのだった。
最後に食べたフィッシュアンドチップスも、おいしかった。どどーんと大皿に盛られていて、レモンやフィッシュアンドチップス用のビネガーのようなタレをかけて食べるのだが、豪快というか、鷹揚というか。
わたしのなかでは、勝手に繊細なイメージを抱いていたイギリス人。今回の旅で、印象がだいぶ変わった。明るく人なつっこく、大らかな人が多いのかもしれない。
ランドローバーのCMから、何年経っているのだろう。もう検索してもヒットしなかった。
そのローバーも、その後インドのタタ社に売られ、今はタタの子会社ジャガー・ランドローバーが運営しているらしい。イギリスの食事情も、変化していて当然である。

最初の夜は、スペイン風バルで。

生ハムのクロケタス。

旅の初日は、娘のハズバンドのお母さんと中華。

ポルトガル料理の「Nando’s(ナンドス)」は、グリルチキンのお店。

「なんどす」って、京都弁のような覚えやすい名前のお店は、アパートの最寄りのイーリング・コモン駅に隣接していました。

底冷えした町歩きで、飛びこんだシンガポールチキンカレーのお店。

チキンカレーとラクサで、温まりました。

そしてようやく、海辺の町ブライトンで食べたフィッシュアンドチップス。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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