CATEGORY

BACKNUMBER

OTHER

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

類稀なる、いつもの焼肉屋

月曜日、義母の半年に一度の定期検診に同行した。

心臓弁膜症の手術をしてから2年。バリアフリーマンションに移り、暮らしも落ち着いているようだ。義母は変わらずおしゃべりで、元気で忙しくしている。何よりである。

 

さて。その神戸への帰省だが、特急あずさ、特急しなの、東海道新幹線を乗り継ぐ特急の旅だが、片道5時間、往復10時間ほどの電車での道ゆきとなる。今回は最初のあずさが20分以上も遅れ、しなのに乗り継ぐことができなかった。さらに1時間プラス。神戸に着いたのは6時間後。たったの1時間とはいえ、これがけっこうこたえ、ぐったりした。

「疲れたねえ」

夫も同じだと知りつつ、つい口にしてしまう。

 

だが夜はいつもの焼肉屋を予約してあったので、遅れながらも自然な足取りでそこへ向かった。そして、空いていたいつもの席に座り、生ビールを飲みながら焼肉を焼き、ふたりフーッとため息をつく。

「ずいぶん長い旅だったけど、ここに来ると、遠くに来たような気がしないね」

「なんかね。ここに座ると落ち着くよね」

夫は生まれ育った街だが、わたしにとっては彼を介して知り合った街だ。その遠い街に、いつもの場所がある。いつもの美味しい焼肉もある。

「ここがあって、よかったよね」

「ほんと。ここがあって、ずいぶん助かってるよなあ」

 

いつもの焼肉屋。とはいえ、毎度こんなに居心地がよくリーズナブルで、三ノ宮一というほどに美味い焼肉が食べられる店などどこを探してもないのではないか、とふと思う。

これってもしかしたら、滅多にない、類稀なる幸運なのかも知れない。

CIMG8156三ノ宮の焼肉『松竹園』です。夫の高校時代の同級生がやっています。

CIMG8162肉の写真これだけ(笑)疲れていて、ただ黙々と食べました。

CIMG8168ここは、スープもいろいろあって美味しいんです。卵スープ。

CIMG8171帰り道々、夫と眺めた不思議な光。月じゃないよね?

COMMENT

管理人が承認するまで画面には反映されません。

ユミ へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


  1. ユミ より:

    さえさん、神戸に来てらっしゃるんですね~
    いつもの場所、いつもの店、があるっていいですよね。
    場所的には、よく行く場所や好きな場所はあっても、よく行くいつもの店って憧れます。
    地元にもそういったお店って、私にはないです。
    そんな風に思えて、「いつもの」まで行かなくても、オーナーとお喋りが出来て、ほんとごくたまに行くお店が出来つつあります。
    まあそれをいつもの店、と言い切ってもいいんだろうけど。
    帰って来た・・・とかホッとできる・・・とか、落ち着く・・・とか思えるいつもの店、
    遠い場所にこそある そんなお店の存在って,ほんとに旅の疲れが和らぎますね。
    三ノ宮の松竹園、三ノ宮に行った時は・・・って思ってたはずなのに、すっかり忘れてます。(-_-;)
    しっかりメモしておかなくては・・・( ..)φメモメモ

    • さえ より:

      ユミさん
      1泊でバタバタ行ってきたので、今は明野です。
      松竹園、ほんとホッとするいつものお店なんです。
      長旅の疲れ、癒されました~♩
      いつものって言えるのは、夫の高校時代の同級生だから、かも知れませんが、足しげく通いたくなるのはやっぱりお肉が美味しいからだと思います。
      ぜひ、食べに行ってみてください♡
      おススメのお店です。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

ご意見などのメール

CATEGORY

カテゴリ

BACKNUMBER

バックナンバー

CALENDAR

カレンダー
2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

COPYRIGHT © 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI. ALL RIGHTS RESERVED.© 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI.