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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

『レアンドロ・エルリッヒ展』

六本木の森美術館に『レアンドロ・エルリッヒ展』を観に行った。

副題は「見ることのリアル」だ。

アルゼンチン出身の現代アーティストの個展で、紹介文にはこうある。

作品を通してわたしたちは、見るという行為の曖昧さを自覚し、惰性や習慣、既成概念や常識などを取り払い、曇りのない目で物事を「見る」ことで、新しい世界が立ち現われてくることを、身をもって体験することになるでしょう。

しょっぱなから、水面に浮かんでいるように見えるボートの展示で、しかしそこには水はなく、コンピューター計算で再現した水面の揺れと、ボートは水の上に浮かぶものだという見る人の先入観〈既成概念〉によりできあがった「水面に浮かぶボート」であることが知らされる。

ボートは水に浮かぶもの。

そんな何の計算もない先入観が、「見る」「見える」ということを左右してしまうのだと、まず知らされ、それを踏まえつつ展示を観ていった。

 

ドアののぞき穴のなかに実際にはない廊下が広がっていたり、硝子の向こうの教室に亡霊が映っていたり、鏡には自分が映るはずなのに他人が見えたり。

自分でも気づかぬうちに持っていた先入観〈既成概念〉に、次々と気づかされていく。そしてそれを取り払ってくれる作品の数々にいちいちハッとさせられた。

ポスターにもなっている建物の壁に何人もの人が宙に浮くようにくっついている作品も、おもしろかった。

床面に設置された建物の壁に対して約45度の傾きで大きな鏡が設置されていて、観に来た人がその建物の壁の上(実際には床)で、鏡を見ながら寝転がったり、ベランダの手すりにつかまったりして遊べるようになっていた。「建物は地面に垂直に建っているはず」という先入観〈既成概念〉を利用しているわけだ。

 

先入観を持たず、新しい視点や発見を大切にしたいと日頃から考えているのだが、持っている先入観の根強さを感じさせられた展覧会だった。

「見える」ものは「真実」でもあるが、心のあり方や感じ方で、その「見える」が変わってくることもある。それを知っておくことが、新しいことを受け入れられる自分でいるためには、大切なんだと思う。

CIMG8863六本木ヒルズの蜘蛛の下で待ち合わせして、行きました。

CIMG8865館内は、フラッシュをたかなければ撮影自由でした。水面のボート。

CIMG8870亡霊たちのいる教室です。

CIMG8872ブラインドの向こうに見える隣人たちの部屋。

CIMG8873ひとつの部屋に25台のカメラを仕掛けて微妙に違う角度から撮影した様子。イギリスでは14人に1台の割合で防犯カメラが設置されているとかかれていました。常に見られているかも知れないと考えること自体、怖かった。

CIMG8877思い思いの格好で、壁面に立ち、座り、寝転がり、写メを撮る人たち。

CIMG8893スカイデッキの入場券つきだったので、夜の六本木の夜景を楽しんで帰ってきました。東京タワーって、あたたかみがあって優しい気持ちになりますね。

 

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

依頼はメールフォームからお願いします。

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