映画『イン・ザ・ハイツ』は、2021年に公開されたミュージカル仕立てのヒューマンドラマだ。スペイン語が母国語の移民が多く暮らすニューヨークのワシントンハイツ(マンハッタン北部)の若者たちを描いている。
〈cast〉
ウスナビ【 アンソニー・ラモス】コンビニで働く面倒見がいい青年。ドミニカ系。
ヴァネッサ【メリッサ・バレラ】ネイリストをしながらデザイナーの道を模索する美女。
ニーナ【 レスリー・グレイス】スタンフォード大学で学ぶエリート。ワシントンハイツの希望の星。
ベニー【コーリー・ホーキンズ】タクシー会社で配車係をする正義感の強い若者。
アブエラ【コーリー・ホーキンズ】移民たちみんなの母。
〈story〉
青い空の下、白いビーチと真っ青な海が広がっている。そこでウスナビは、子供たちに語る。青春時代、自分たちが暮らしたワシントンハイツでの出来事を。
ドミニカ共和国、プエルトリコ、キューバ。移民たちは、出身国の境を超えて、家族であり、兄弟であるかのように暮らしていた。
ウスナビの夢は、死んだ父が店をやっていたビーチでバーを出すこと。だが現実は、あくせくコンビニで働く毎日だ。
仲間のベニーも、いつかビジネスで成功してみせると力みながら、タクシー会社で配車係をする日々。
妹のように思っているニーナは、名門大学に入学するが、差別され悩んでいる。
気になるヴァネッサは、デザイナーになる夢を心に抱きながら、ネイリストとして美容室で働いている。
みな、渦巻く不安や不満を抱えつつ、笑う。明るく歌い踊る。
そして、日々40℃を超える真夏に、大停電は起こった。
若い彼らは、アメリカンドリームを夢見た親に連れられニューヨークに来た2世たちだ。彼ら2世たちは”ドリーマー”と呼ばれているそうだ。
そんな彼らを見守るアブエラは、親たちと同じく夢見てニューヨークに渡り、家政婦をして苦労に苦労を重ねてきた。
こんなはずじゃないと思いながらも、日々の小さな幸せを大切にし、見つめながら暮らしてきたその姿は、若者たちの心に暖かな灯りとしてずっと宿っている。
彼らは、夢と現実と、それを取り巻く世界とのあいだで、ひとりひとりが自分なりの決断をしていくのだった。
中央のふたりが、ウスナビとヴァネッサ。その右後ろがベニーとニーナです。心揺さぶられる素晴らしいミュージカル映画でした。
☆画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。