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はりねずみが眠るとき

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「スーパーカップ2023」観戦

週末、東京は国立競技場に「スーパーカップ2023」を観戦に行った。

天皇杯で優勝したヴァンフォーレ甲府が、J1チャンピオン横浜Fマリノスと真の王者を決める決戦だ。

雪の翌日。東京へ向かう特急あずさは満席。立ち乗りの人も見かけるほどだった。

 

「今日はヴァンくん、来てるよね」

「そりゃ、来てるでしょ」

「スーパーカップだからね」

「スーパーカップだもんね」

ヴァンくんとは、アウェイスタジアムには姿を見せないことも多々ある、ヴァンフォーレ甲府のマスコットキャラクター。過去、こんな会話がスタジアム内で交わされていた。

「ヴァンくん、来てないね」

「お金、なかったのかな?」

まるでヴァンくんが、特急あずさのチケットを買おうと財布の中身を確認する姿が思い浮かべられるようなこの会話。本当のところは、ヴァンくんを連れてこられるだけの余裕がチームになかったのかな? という意味合いだ。

 

ヴァンフォーレ甲府はプロビンチア(小規模都市に本拠地を置く経営予算の少ない地方クラブ)のなかのプロビンチア。

少ない予算のなかで、新卒ルーキーをスカウトして実戦を経験させて育てていくという戦術で乗り切ってきたが、J1で戦った数年後に降格し、その後5年間J2で戦っている。

ヴァンフォーレ甲府で育ったルーキーは、ほかのチームに移籍し活躍する選手も多い。

日本代表として2022カタールW杯に出場した伊東純也も、そのひとり。

やけに足が速いルーキーがいるなあ、これでゴールが決まればなあと、純也を見ていた頃をなつかしく思い出す。素晴らしい選手に成長したものだ。

 

スーパーカップは、2対1でマリノスの勝利に終わった。

ヴァンフォーレ甲府は、精一杯がんばっていた。

スタジアムの上には、青を薄めたような東京の空が気持ちよく広がっていた。

来週から、今シーズンJ2リーグが開幕する。

キックオフまえのスタジアム。

ちょうど目の前で、マスコットキャラクターたちが踊っていました。右がヴァンフォーレ甲府のフォーレちゃん。フォーレちゃんも来たんだね。スーパーカップだからね。右からマリノスのマリノスケとマリンちゃん。

マリノスにはマスコットキャラクターが3体いるんだね。右がマリノスくん。左がヴァンフォーレ甲府のヴァンくんです。

「風林火山」からとったクラブ名のヴァン「風」とフォーレ「林」の名をそれぞれつけられたふたりは、山梨特有の日本犬で国の天然記念物「甲斐犬」がモチーフになっているんですよ。

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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