『いのちの停車場』などの成島出監督作品だ。
国の違い、文化の違い、言葉の違いを超えて、人は家族になれるのか。
〈cast〉
神谷誠治【役所広司】妻を亡くし山里で独り暮らす陶芸家。
神谷学【吉沢亮】誠治のひとり息子。一流企業のプロジェクトリーダーで、アルジェリアに赴任中。
ナディア【アリまらい果】学と結婚した難民出身の明るく優しい女性。
マルコス【サガエルカス】隣町の団地で暮らす在日ブラジル人。
〈story〉
誠治のもとに、学がナディアを連れて帰ってきた。結婚の報告に嬉しい気持ちでいっぱいの誠治だったが、学が会社を辞め陶芸家になりたいと話すと、ふたりの幸せを願い反対する。そんなとき、逆恨みから半グレ集団に追われていたマルコスを、偶然助けることとなり、在日ブラジル人たちとの交流が始まった。しかし、父の反対に迷いを抱えつつ、アルジェリアに戻った学とナディアに待っていたのは……。
映画のなかで、観ていて辛くなるほどに在日ブラジル人たちは痛めつけられる。
映画を観終えたときにも呆然としたけれど、「フィクションとノンフィクションの境界線上のリアリティーを鮮やかに描き出した」と解説されているのを読み、これがリアルな現実なのかとふたたび呆然とした。日本で実際に起きた事件もヒントにして作り上げているという。
人を愛するがために、憎しみをいびつな形で弱者に向けずにはいられなかった男がいた。
けれど誠治は、愛するがために、絶望を昇華せずにはいられなかった。
陶芸家である誠治が燃やす炎が、熱く、そして温かかった。
「大切な人を守りたい」
そんな彼のただひとつの願いが、そこに燃えていた。
予告編は、こちら。
NHK大河ドラマ『青天を衝け』で、いい役者だなあと思った吉沢亮。存在感のある演技でした。
☆画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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