久しぶりに映画館で、映画を観た。
ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画『PERFECT DAYS』だ。
〈cast〉
平山【役所広司】東京渋谷の公共トイレの清掃員。
ホームレス【田中泯】代々木新町の公園に住み着いた男。
ニコ【中野有紗】平山の姪。母と喧嘩し、平山のアパートを訪ねる。
タカシ【柄本時生】平山の同僚。調子がよくいい加減な性格。
ほか、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、三浦友和など。
〈story〉
渋谷でトイレ清掃員として働く平山は、独り静かに淡々と生きている。
まるできっちり決められたルーティンのように、毎朝同じ時間に近所の老女が掃除する竹箒の音で目覚め、同じように身支度をし、車で同じ缶珈琲を飲み、カセットテープで音楽を聴き、同じトイレを回り、同じように働いていた。
木々を愛し、木漏れ日を見上げる。フィルムカメラで写真を撮る。銭湯の一番風呂を浴びる。同じ店でチューハイを飲み、夕食をとる。古本を読みながら眠りに落ちる。
そんな彼の毎日は同じことの繰り返しにも見えるが、同じ日は1日としてなく、日々を新しいものとして生きているのだった。
こんなふうに生きていけたなら
映画のテーマのように、公式サイトなどでこの言葉が使われている。
けれどわたしは、そこには違和感を覚えた。
軽々しく、そう言ってしまえない自分がいるからだ。
彼のようなきっぱりとしたルーティンではなくとも、わたしを含め、多くの人が日々同じようなことをして生きている。
その1日1日を、新しい日として迎えられたら。
映画を観終えたとき、ただ、そう思えた。
この映画で、役所広司はカンヌ国際映画祭「最優秀男優賞」受賞。アカデミー賞にもノミネートされて話題になっていますね。
予告編は、こちら。
ニコと木漏れ日を見上げながら昼食をとる平山。
☆画像は、お借りました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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