昨年公開された映画『Winny』は、松本優作監督の実話をもとにした社会派映画。
殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか——。
技術者の未来と権利を守るため、権力やメディアと戦った男たちの真実の物語。
〈cast〉
金子勇 【東出昌大】天才ソフトウェア開発者。Winnyの生みの親。
壇俊光 【三浦貴大】サイバー犯罪に詳しい弁護士。Winny弁護団事務局長。
秋田真志 【吹越満】経験豊富な弁護士。Winny弁護団に加わる。
仙波敏郎 【吉岡秀隆】愛媛県警巡査部長。警察を内部告発する。
〈story〉
金子は、革新的なソフト「Winny(P2P技術)」を開発。試用版を「2ちゃんねる」に公開した。彗星のごとく現れた「Winny」は、使用者が直接データのやりとりができるシステムで、一気にシェアを伸ばしていく。だが、その裏で大量の映画、ゲーム、音楽などの違法アップロードが相次ぎ、ついには社会問題へと発展。やがて、警察は金子逮捕に踏み切った。
「⼀⼈の天才開発者が、⽇本の国家組織に潰されようとしている」
壇は金子を弁護していくうちに、これは”ナイフを作った職人”に罪を着せるのと同じことなのだと確信していた。
平行して、Winnyにより実名が明らかになった警察内部の裏金工作の摘発が描かれていく。
映画は、警察の闇をも深く切り込んで描写していた。嘘の供述をさせたり、サインを強要したりするシーンには、観ていて憤りを覚える。
映画を観るまでは事件のことすら知らなかったが、ソフトウェア開発を次世代につなげていくためには、見過ごすことのできない闘いだったのである。
金子勇(実名)氏の開発に対する情熱と、弁護団の間違ったことを許さない芯の通った正義感が、深く胸に刻まれた映画だった。
東出昌大が、変わり者だけれど好きなことに真っ直ぐな開発者を魅力的に演じていました。予告編は、こちら。☆画像はお借りました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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