「土偶に会いたい!」シリーズも大詰め。諏訪湖畔の3つの土偶巡りをして、「三十三土偶札所巡り」をコンプリートした。
そこで訪ねた「岡谷美術考古館」では、現代アートの企画展を開催していて、併せて楽しんだ。
全身全霊で内なる魂の悦びを表現するアーティスト神田さおり。
踊絵師として踊りながら作品を描くという、神田さおり。
心に真っ直ぐに入ってくる色を選び、力強いタッチで描かれた生命力溢れる作品が、並んでいた。
テーマのひとつ「龍」は、諏訪湖から流れ出す天竜川をイメージしている。
与謝野晶子は、天竜川の絹糸のような流れを歌った。
諏訪の湖(うみ)天竜となる釜口の水しづかなり絹のごとくに
もうひとつのテーマ「絹」にも通じている。
長野県岡谷市は、明治から昭和初期にかけて生糸を生産、輸出していた歴史ある「シルク(絹)の町」である。
2つのテーマは相反する静と動のようにも思えるが、絹は蚕から生み出される天然の糸。蚕が繭となる糸のもとを吐き出すとき、頭と胸を8の字のように動かし続け、自らが蛹となるための寝床「繭」を作っていくという。
その姿は、まるで踊っているようにも見える。
ワークショップで踊絵師は、アートの中心に「8の字」を描いたそうだ。
天竜川の激しさの潜んだ豊かな流れと、小さな蚕が踊りながら生み出す絹の糸。
神田さおりが表現し続けている「内なる魂の悦び」と2つのテーマがリンクし、キャンバスの上で溶けあっていた。
入ってすぐに、テーマのひとつである「龍」が迫力いっぱいに燃え上がっていました。
深いブルーも美しい。
奥にも展示室がありました。
屏風と行灯(あんどん)の和の空間。
やわらかな色合いのアートのなかにも、躍動感が。
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随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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