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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

闖入者

ラグビー観戦翌日、帰宅すると何やら家のなかで音がした。

「鳥がいる!」

わたしの声に、荷物を片づけていた夫が駆けつけた。

薪ストーブのなかで、バタバタ羽ばたくものの姿が見える。

「ヤマガラ?」

ヤマガラほどの大きさの小鳥がストーブの庫内で暴れ、壁にぶつかっている。

「しょうがないな」

ため息をつく夫と、薪を入れる扉にビニール袋をかぶせ、捕獲を試みた。

 

だが、そっと開けた庫内に、小鳥の姿はない。

「煙突から出入りできるとなると、まずいな」

これまでふたりでやってきた煙突掃除を、初めて薪ストーブやさんに頼み、やってもらったばかりだ。煙突のてっぺんに取りつけてある鳥避けの網をきちんと被せていかなかったのだろうか。

 

わざと大きな音が出るように、煙突を叩いてみるが、しんとしている。いよいよ出入り口があるのかと話していると、ふたたび庫内で羽ばたく姿が見えた。隠れていたらしい。

おびえているのはわかるが、このままストーブに火を入れるわけにもいかない。

扉を開けると隠れてしまう。しばらくするとまた羽ばたくのが見える。その繰り返し。

小鳥は外へ出たい。わたしたちも外へ逃がしたい。たがいに同じ見解なのだが、なかなかうまくいかない。

しかたなくビニール袋を張りつけたまま、扉を開け放ち、様子を見ることにした。

 

するとしばらくして、庫内で羽ばたき始めた。

ビニールは、吸い込まれるようにぴたりと入口に張りついている。たぶん煙突のなかへと空気が流れていくのだろう。

息をひそめ、そっと、ゆっくりとビニールを広げ、おびき寄せる。

広げたビニールに飛び込んできたところを、ようやく捕まえた。

スズメだった。

庭に出て、ビニールの口を開けると、勢いよく飛んでいった。やれやれ、である。

「もう入って来るなよ~」

と言ったところで、言葉は通じない。怖い目に遭った、命からがら逃げてきたと、今頃仲間にちゅんちゅんしゃべっているのだろうか。

火を入れていない薪ストーブ。沈黙しています。

出ていってもらい、火を入れられました。よかった。おたがいに(笑)

きのうは雨だったので、昼間からガンガン焚いて、2階に洗濯物を干しました。

熱で回るエコファンも、フル稼働です。

 

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

依頼はメールフォームからお願いします。

I answer only Japanese.

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