ローマの記事をかいていて、たびたび写真を見返していると、イタリアカサマツがあちらこちらに写っていてなつかしくなる。
日本の松とは違い、まっすぐに空に向かって伸びた幹のてっぺんに、笠というよりパラソルを開いたような緑の葉を茂らせている。
『素顔のローマへ』には、こうある。
ローマ帝国時代、兵士を乗せた馬が日陰を進んでいけるように、余分な枝を職人が切り落としたとか。
その後、木のてっぺんにしか葉が茂らないよう進化していったのか、その辺りはよくわからないけれど、見つけるたびにカメラを向けていたのは、なんとも可愛らしく感じたからだ。
人間などよりずっと大きく高くしゅっと伸びていて、てっぺんに葉を茂らせている姿に、カサマツ自身恥じらっているようで、う~ん、キュート! と思ってしまう。
ところで、カサマツのことを調べていて、知ったことがある。
松は英語で「pine」パイン材などと呼ばれ、家具や家の柱などに使われる。それはもちろん知っていた。なにしろここに自生していた赤松を木材にして建てた家で暮らしているのだから。
けれど、松ぼっくりの若い実の写真を見て、膝を打った。
「パイナップルそっくり! それで松はパインだったのか」と。
しかしよくよく調べると、逆だった。
松ぼっくりにそっくりな、りんごのような風味の果物だから、パイナップルは「pine+apple」と名づけられたのだった。
そういえば、イタリアカサマツの実は、見なかった。
ずっとずっと高いところにあったものだから。
青空に伸びたイタリアカサマツ。
「サヴェッロ公園」で。
「カラカラ浴場」で。
「フォロ・チェザーレ」で。
これは、赤松の若い実です。松ぼっくりの笠が開く前ですね。パイナップルっぽい! っていうか、知らなかったのわたしだけかな~
夫が持っている『樹木図鑑』にありました。残念ながら「カサマツ」は載っていなかったけど。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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