春先に苗をいただいて植えた、コバギボウシの花が咲いた。
薄紫色の蕾がいくつか縦に並び、咲き始めた花はうつむいて咲いている。とても可愛い。
漢字でかくと「小葉擬宝珠」で、オオバギボウシの方が葉が丸く大きいので、小さい葉のギボウシとなったのだろう。
「擬宝珠(ぎぼうしゅ)」は、橋の欄干についたまん丸い装飾品で、蕾の形が似ていると名づけられた説が有力らしい。たしかに少し似ているけれど、欄干に堂々と乗った擬宝珠とは違い、やわらかな優しさがまったく違うものだと言っている。
一緒に植えた夫と、「咲いたね」「可愛いね」などと喜んでいたきのうのこと。
北側の窓を開けた夫が、洗濯物を干していたわたしを呼んだ。
「ねえ、あれ。コバギボウシじゃない?」
窓から見下ろすと、植えたはずもない場所にコバギボウシらしき花が咲いている。
そこは急な傾斜地で、もともと竹藪があってそこに通路を作った場所で、何も植えたりはしていない。
だが見に行くと、たしかにコバギボウシだった。
「どこからか、種が飛んできて咲いたのかな」
「もしかしたら、去年も一昨年も咲いてたのに、気づかなかっただけかもしれないね」
そもそも植えるまで、コバギボウシという花を知らなかったから、見過ごしていてもおかしくはない。
青い鳥ならぬ、薄紫の小さな野草は、すぐそばにいたのである。
北側の窓の下に咲いていた、野生のコバギボウシ。
苗をいただいて植えたコバギボウシも、咲き始めて。
いちばん大きな苗は、これから咲いていきます。
野生のヘクソカズラも、可愛い。
同じく野生のタカサゴユリ。
苗をいただいた女郎花も、まだまだ咲いています。
こんにちわ
ギボウシは、7月に行った八方尾根にも、たくさん咲いていて懐かしくなりました。
強い花なんでしょうね。雪に埋もれても、しっかり根付いて、たおやかに咲くのですね。
色も、落ち着いていいですよね。
旅をされるたびに、関連の本を読むって、いいですね。
興味もわきますし、知ってる地名や行ったことのある地名が出てくると、楽しくなってきますね。
移住。今は以前より、ずっとボピュラーですけれど、さえさんが移住された当時は、いろいろとおありだったでしょうね。
私も、結婚と同時の他県からの移住組?だったので、何から何まで不安だったことを思い出します。
住めば都。本当にそうです。もうこちらのあれこれが、沁みついて、逆に実家での常識に違和感を覚えることもあります。時間、文化、生活様式、人ってこんなに変わるんですね。と、自分で思います。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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