南アルプス市に広がる棚田へ、取材に出かけた。
富士山が見える日を心待ちに夏を過ごしたのだが、とうとう稲刈りの時期になってしまった。この夏は晴れてもなかなか顔を見せてくれなかった富士山。この日は雲から顔を半分と少し出して、稲刈りの様子を覗いていた。
いつものことながら、ナビがあってもよく迷う方向音痴オリンピック金メダリスト最有力候補のわたし。
「通り過ぎてる。絶対これ通り過ぎてる。だんだん道が細くなってく」
あせりつつもUターンする場所がなかなか見つからず走り続けていたら、突然視界が開けた。湖である。ログハウス風のレストハウスや、ランチにパスタを出すレストランも営業中だ。狐か狸に化かされたような気分になりながら、レストハウスの女性に道を訪ねてみた。
「ああ、中野の棚田ですね。はいはい」
気さくな返事にホッとする。そしてなんと「南アルプス棚田を愛する会」の代表の方を紹介してくださった。棚田入口辺りに居てくださるという。
出会いというものは不思議だ。
もし道に迷わなかったら、景観だけを見てネットで調べた情報だけをもとにした通り一遍の記事しかかけなかっただろう。
ホタルやアカハライモリが生息していることも、石垣の石と石のあいだを通り抜ける太陽の光や風が微生物を活性化しエネルギーあふれる土壌を作り上げていくことも知らずにいた。棚田のなかの目には見えない様々なことごとを教えていただいた。
それだけじゃない。ハーブのインストラクターでもある代表の女性とお話をしていたら、共通の知り合いや友人が何人かいることが発覚し驚いた。
「水月さんも、もう棚田ファミリーですよ」
そう言ってくださった。
棚田がくれたご縁。ずっと大切にしていきたい。
とっても気持ちのいい場所でした。
たわわに実った稲。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
素敵な出会いですね~
ほんと出会いって、ひとつの何かが違ってたら、起こらなかった偶然ですよね。
共通の知り会いや友人もいらっしゃったなんて、さえさんいとっては必然な出会いだったのかもですね。
私も実は棚田フェチなんです。
といっても私は景観だけを見ている、そっちだけですけどね。(^-^;
行く先々で棚田がないか、チェックしたりすることも・・・
ブログには4回ほどアップしました。
同じ棚田でも季節によって、全然変わるんですよね~
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。