ガスコンロの火で料理をしても、火を恐れることはほとんどない。
スイッチひとつで火を起こせる簡単さや、安全装置があること、安全な使い方が身についていることもあるのだろう。
だが、薪ストーブで火を起こすとき、自分のなかにある「火を恐れる気持ち」に気づくことが多い。
マッチを擦るときには、指先のわずかな先に火がある。そしてそれを新聞紙に移すと、たちまち大きな炎となり、新聞紙を持つ手に迫ってくる。それを焚きつけの枝を組んだ下にくぐらせるのだが、上手くいかずの火ばさみの世話になる。
火は怖い。
そんな当たり前のことに気づいて、ハッとする。
それを忘れてしまうほど、人間は便利な生活をしているのである。
火を見るとホッとしたり、癒されたりするのは、太古の人間たちがたき火をして暮らしていた頃のDNAが残っているのだと聞いたことがある。
薪ストーブの炎は、太古のDNAを満たし、便利な時代になったからこそ忘れていたことをも思い出させてくれている。
フル稼働中の薪ストーブくん。ハースストーンという石造りのストーブです。
灰を入れたバケツとスコップ、火ばさみと取っ手です。
取っ手は、木製で持ったとき熱くないよう取り外し式になっています。
今焚きつけに使っているのは、ネコヤナギの枝。とってもいい匂いです。いつも灰を差し上げているご近所さんが、剪定したからとくださいました。
子供の頃は、田舎に住んでいてお風呂が屋外にあった。結婚した時には、夫の実家もまだ屋外にお風呂があり、共に薪でお風呂を沸かしていました。コツがあって、難しい作業でした。今はボタンひとつでーー。便利な時代になりましたが、停電になったら動きが取れなくなります。オール電化に近い我が家は、路頭に迷ってしまいます。火には憧れ…ですね。薪ストーブも予算の関係で諦めましたが、この冬は薪ストーブ風に炎が見える電気ストーブ購入しました。少しのよろこびです。
悠里さん
お風呂、薪で沸かしていたんですね~
お湯も軟らかく焚けるって聞いたことがあります。
素敵だけど、やっぱりたいへんさもありますよね。
薪ストーブ、震災の停電のときにはやっぱり強い味方になってくれました。
便利すぎる毎日も、ときどき立ち止まって見直さなくちゃいけませんね。
防災用品、チェックしなくっちゃ。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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