ちょっと魅かれる気持ちを持ちながら、なかなか素直な気持ちで読むことができない益田ミリのコミックを開いてみた。
『ほしいものはなんですか?』
登場人物(3人が主人公とも言える)
【リナ】 小学校低学年
【ミナ子】(40歳)リナの母、専業主婦。ほしいもの〈存在感〉
【タエ子】(35歳)リナの叔母、OL独身ひとり暮らし。ほしいもの〈保証〉
帯には、こうある。
悩める二人の女性に、一人の少女が大切なものを運んでくる――。
ミナ子とタエ子が、思い思いにつぶやくイラストつきだ。
このまま歳をとって、”何にもなれず”終わるのかな…
そして、リナが考えるシーンから始まる。
わたしはいつもいろんなことを考えてる。でも、それは、声に出してしまうと少し違うきがするのは、どうしてなんだろう?
思慮深いリナの雰囲気は、『月の砂漠をさばさばと』のさきちゃんを彷彿とさせる。
ひとりっ子じゃかわいそうと言われ、「ゴメンね、ひとりっ子で」とリナに謝る母親にリナは思う。
大人って「かわいそう」に振りまわされてる。かわいそうってなんなのかな。「かわいそう」が怖いのかな?
もし怖かったとしても逃げられないよ。だって「かわいそう」は目に見えないんだもん。
タエ子は、姪っ子のリナに話す。
人は、すべての質問にこたえなくてもいいのである。
すべてに答えようとがんばると、どうなるかわかる?
――どうなるの?
見失うんだよ。自分を。
ミナ子は、思う。
みんなが教えてくれる。わたしが幸せだってこと。
言い聞かされてる気持ちになるのは、どうしてなんだろう?
人はみな、ないものねだりをする。
結婚し、子育てをするために仕事を辞めたわたしには、ミナ子の気持ちがよくわかるし、逆にひとり働くタエ子が眩しくも見える。
そしてアラ還ともなれば、それがないものねだりだということも、もう知っている。
わたしのこと、みんなで笑ってるのかな。
ミナ子のつぶやきが、ページのなかから問いかけてきた。
「小泉今日子さんも共感!」という帯に魅かれました。キョンキョン、歳を重ねてますます素敵な女性になったよね。
こんにちわ
ミリさんの作品をご紹介くださって、ありがとうございます。
・・というぐらい、ミリさんファンとしては、勝手に身内感覚で(笑)とても嬉しいです。
小泉今日子評の帯を新聞の広告で見ていました。
キョンキョンもミリさん読むんだあ~って思っていました。
私も、早速この作品を読みたいなあと思います。
>人はすべての質問にこたえなくてもいいのである。
そうなんですよ。そこが痛いとわかっているのに敢えて聞いてくる人っていますからね。
ミリさんは、そういう辛辣さや苦痛も痛みさえも、緩~く描くところが大好きなんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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