一気読みした。
イヤミスの女王とも言われる真梨幸子のミステリー。だが、イヤミス(読後、嫌な気分になるミステリー)というほどには、いやーな気分にはならなかった。ミステリーらしいミステリーだった。
伝統ある女子校「蘭聖学園」OGたちに届く同窓会の案内状。案内された日付けはあるわけもない6月31日。その案内状を受け取ったと思われる同期生たちが次々に変死していく。卒業後10年経つその同期生たちは、創作劇『六月三十一日の同窓会』を演じた代だった。
その代より少し年上の蘭聖学園OGである弁護士の凛子に、弁護の依頼、相談などがひっきりなしに舞い込む。そして存在しない同窓会の案内状を受け取った女たちが次々に死んだことと創作劇との関連を知る。調べれば劇と同じ順番に、彼女たちは死んでいた。そして、凛子にも死の案内状が届くのだった。
「案内状が送られてきたことによって、ある種の心当たりのある人……お仕置きされるような自覚がある人は、まんまと暗示にかかってしまったってことなのよ。『殺される』と」
お仕置きという言葉が繰り返される。存在したかどうかわからないお仕置き制度がひとり歩きし、それに脅えるがあまり彼女たちは死に向かっていったのか。
「あの案内状は、リトマス紙でもあるのよ。悪人をあぶり出すリトマス紙」
「つまりあの案内状が届いても平気だった私たちは、……善人というわけ?」公美子は、自嘲気味に言った。「善人というより、単純に図太いってだけなんじゃない? あるいは鈍感。だって、人間、どこかしら、後ろ暗いものじゃない?」
市町村合併問題。お嬢様学校の伝統と家庭内での足枷。外部入試者への差別。女同士の嫉妬や見栄。そして、サイコパスの存在。
かき連ねてみれば、確かにどろどろしてる。イヤミスかも知れない。
ラストには、戦慄した。
帯には「それでもあなたは同窓会に行きますか?」とあります。仲のいい友人と会うことはあっても、同窓会、じつは行ったことありません。表紙の林檎にナイフのエピソードも、登場します。タイトル見たときに、6月に31日はないって気づかなかったわたしって。
6月31日?前日が誕生日の私ですからこれはすぐにない日だなとわかりました。
同窓会って参加する人って決まっていますよね。
私は行った事ありません。
なんだか懐かしい気持ちよりも居心地が悪い気持ちのほうが強かったのです。
それ以来欠席。
親しい同級生たちと会う事はあっても大勢の会ってなんだか疲れますね。
子供のいない友達は一度参加して『もうこりごり』といっていました。
hanamomoさん
6月生まれなんですね。末の日ということは蟹座ですか。夫と母と妹も6月生まれですが双子座です。
同窓会、東京生まれ東京育ちのせいか、わたしはほとんどないんですよね。
夫は神戸の生まれなので、中学の高校のと、最近よく同窓会が開かれています。
居心地が悪い感じ、なんとなくわかります。
幼くて尖った頃の自分に会うようなものですものね。
子どものいない人が居心地が悪いのかあ。なんだかなあって思いますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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