モンサントから向かったのは、ポルトガル第二の都市、ポルトだ。
ドウロ川沿いの港町ポルトは、歴史地区として世界遺産に登録されている。
その街並みが可愛らしい。細長く四角い5階建てくらいの建物がくっついて並び、壁はパステルカラーで、窓は大きく四角い。そこに、オレンジ色の三角屋根が乗っかっている。まるで小さな子どもが画用紙に描く絵のようだ。
ポルトガルの人は、さぞかし可愛らしいものが好きなのだろうと街並みを見ていると思う。リスボンの石畳にしても、然り。
だが、可愛いものが好きなタイプにありがちな、ごてごてと飾り立てることは好きではないようだ。シンプルで実用的ななかに「可愛らしさ」や「クールさ」を求めている。そんなふうに見える。
そういえば、リスボンの『リベイラ市場』は、黒に白抜きの文字で統一されていた。フードコートの食器は白で、どの店も同じものを使う。平たい皿、深皿、四角い皿などバリエーションはあるが、どれもフードコートの名前が記されていた。たぶん一か所に集めて洗い、必要な形のものを店によって使うのだろう。合理的だ。
もしかすると、「主張」することを嫌うのかも知れない。
電車に乗り、ホームで駅の名前を探すと一か所だけ遠慮がちに表示されていたり、バスやトラムで、停留所の放送がなかったり、改札口がないと探したらポールが2本立ってるだけだったり。ちゃんと主張してほしいところに、「主張」がない。
「このバス、どうして降りるとこわかるんだろうね」
「スマホで、Googleマップ見て降りるのかな?」
そんな疑問が湧いたほどだ。不親切とも思える表示のなさ加減は、しかしじつは「主張」するのが、この国ではかっこ悪いことなんじゃないかと思い当たる。
クールでいたい。けど、可愛いものも好き。だけれど、シンプルイズベストで、主張するのはかっこ悪い。そんなポルトガル人気質が垣間見えた。
そこに、美味しいものが大好きというのが加わる。
洗練されたリスボンの料理に比べ、ポルトはB級グルメが美味しい街だった。
地下鉄の入口の階段にあった駅名。かっこいいけど、わかりづらい。
これがポルトの地下鉄の改札。主張なさすぎ!
街の家々は、パステルカラーや落ち着いたピンクなどの壁が目立ちます。
四角い窓も可愛らしく見えるポイントですね。
オレンジ色の三角屋根がまた、可愛らしいんです。ポルトのランドマーク的存在『クレリゴスの塔』が見えますね。
街ゆくトラムも、レトロで可愛い感じ。
歩く先歩く先、建物がいちいちお洒落です。
Tシャツ屋さんでした。ディスプレイがクール。
細い路地に、巨大な猫のイラスト。どうやって描いたんだろう。
川辺のカイス・ド・リベイラという地域、レストラン街です。
ドン・ルイス1世橋を歩いて渡って、向こう岸まで行きました。
橋の上から見たカイス・ド・リベイラ。オレンジの屋根の波。
川向うから見ると、こんな風景です。
歩いていて見つけた階段を使った街並みのイラスト。ホンモノかと思いました。
夜景のドン・ルイス1世橋。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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