パリ最終日は、オルセー美術館で過ごした。
ルーブル美術館とオランジュリー美術館には、前回行ったのだが、オルセーは初めて。ぜひ行きたいねという話になった。
「日曜に、予約もしてなくて入れるかな?」
「まあ、入れなかったら、それからどうするか考えればいいじゃん」
そんなふうにして行ったオルセー美術館だったが、以外にも空いていた。
駅舎を改装して造られた美術館は建物の造りもおもしろく、印象派を中心とする数多くの絵画、彫刻などが並べられている。
ゴッホやゴーギャンの絵が並ぶ部屋から観て歩いたのだが、1枚の絵の前で立ち止まった。ゴッホの『アルルの寝室』だ。オーディオガイドによると、自らの寝室を描いたこの絵についてゴッホは弟に語ったという。
「この作品では色が大切なんだ。明るい色使いであっても、単純な形からシンプルさは表現できる。驚きや感動は必要ない。観る人を休ませる、あるいは眠らせる。この絵では、そういうものを表現したかった」
そして、こんなふうにも言っている。
「シンプルさを突き詰めることは簡単なことじゃない。シンプルであろうとするがあまり、生きにくくなることもある」
シンプルであることは、たしかに簡単なことじゃない。わたしもシンプルなデザインが好きだし、考え方もシンプルでありたいと思っている。だが実際には、様々なもの、事柄を片づけられずに、ごちゃごちゃとしたなかで生きている。断捨離したいとは思っても、ミニマムとかミニマルとか、そこまでのことはできないだろうと高をくくっている。
けれどゴッホの絵に、シンプルという言葉が胸に落ち、しばらく消えなかった。シンプルに生きる道につながるヒントのようなものが見えた気がしたのだ。
イザベルの結婚式で聞いたミカエルのお母さんの言葉を思い出した。
「子供達には、必要最小限のものしか与えずに育ててきました」
そして歩き出し、モネの『睡蓮』の前で立ち止まった。
絵って、点の集まりなんだな。絵だけではなく、世界中のすべてが点からできているんだ。そんなふうに考えながら、ゆっくりとまた歩き始めた。
ゴッホ『アルルの寝室』ゴッホはこの絵を描いた翌年に自殺しています。
『青い踊り子たち』ドガの踊り子の絵は、ほかにもいっぱいありました。
深く印象に残った、カイユボットの『床削り』
ルノワールの『ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット』木漏れ日がきれい。
駅舎ならではの吹き抜けが美しい開放感のある美術館でした。
こんにちわ♪
オルセーに行かれたのですね。
パリに行ったら美術館は外せませんよね。
私もさえさんと同じで、ルーブル、オランジュリーは行きましたが、オルセーは行列がすごいと聞いていたので外観だけ写しました。
駅舎の名残ありますよね♪
世の中に知られている名画は、オルセーに詰まっているような気がしますね。
行かれて、良かったですね。
私もいつか、行ってみたいです。
ぱすさん
こんにちは♩
パリの美術館、やっぱり楽しみたいですよね。
日曜なのに空いていて、びっくりしたんですが、これもご縁なんですかね?
入れなかったら入れなかったで、なんて考えてたんですが。
ガイドブックに載っていて観たかったルノワールの絵も印象的だったけど、知識が浅いので知らない画家さんも多くって、それでも惹きつけられるものがあったりして。楽しんできました。
ぱすさんも、ルーブルとオランジュリーには行かれたんですね。次はぜひオルセー、行ってみてください。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。