フリヒリアナから車で1時間半。
シエラ・ネバダ山脈の中腹、南斜面に、パンパネイラはある。
白い家と平らな土の屋根、きのこのような煙突は、ベルベル人が遺した伝統建築。そして村じゅうを流れている道の真ん中を通る細く浅い水路が特徴の村だ。
特産品は、タペストリーなどのカラフルな手織りの織物で、村の中心広場には、織物の店が並んでいた。
白い家といっても、フリヒリアナとはまた違う洗練されていない田舎らしい雰囲気にホッとさせられた。
どこを歩いても、水路の水音が聞こえる。
細く浅い水路はたいてい日陰になっていて、その水路沿いに歩いた。村のスポットになっている「サン・アントニオの泉」は、探すこともなく広場の中心にあり、村人が仕事のあい間に飲んでいく。
ほんとうに長閑な小さな村だった。
ひとしきり歩き、織物の店や水路が通った道を楽しみ、次へ行こうということになる。
周辺には「パンパネイラ」を含め「カピレイラ」「ブビオン」の3つの村が車で5分ほどの場所にあり、回ろうと予定していた。
夫は写真の、わたしは『地球の歩き方』特派員の仕事がある。夫婦で旅を楽しみつつ、夫婦ともにそれを仕事にできるのは幸せなことだと思う。
しかし、向かった2つの村は、「パンパネイラ」ととてもよく似ていた。
白い家と平らな土の屋根、きのこのような煙突は、同じだ。
車で5分ということは、山梨のなかでも明野町内の小さな集落を移動するようなもの。似ていて当然といえば、当然だ。
それでも、その村だけの特別なものを見つけようと歩いたのだった。
村のいちばん上にある駐車場に止めて、歩き始めました。見下ろした教会。
きのこのような白い煙突が可愛いと言われています。
昔の洗濯場。
パンパネイラの中心は、水。水路が村じゅうに流れています。
「サン・アントニオの泉」この水を飲むと結婚できるという言伝えがあるとか。
村の広場がある入口には、レース編みの「PAMPANEIRA」。
カラフルな織物が、伝統工芸品。
見ているだけで楽しい。
水路もレース編みで飾られていて、細い路地を歩きました。水路沿いに小さなカフェやバルがあって、角にテラス席(?)を作っていておもしろかった。
16世紀に建てられた「サンタ・クルス教会」。最初に見下ろした教会でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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