これが作りたくて、3合炊きのご飯土鍋を買ったと言ってもいい。
シロさんの「シンガポールチキンライス」である。
もちろんシロさんは、炊飯器で炊いている。
「ご飯土鍋、炊き立て美味しいし、電気代節約にもなるよ」
そう教えてあげたいが、たぶんシロさんはそこまでこだわりたいわけではないだろう。どちらかというと「節約」の方に食指が動く性格だ。
さて。シンガポールチキンライスが登場した回は、13巻。
美容師ケンジが務める店は、ケンジの友人が店長で、その妻、玲子さんが店内でエステをしている。その玲子さんが独立して店を出すというお話。
玲子さんは笑顔で報告し、店長は呑気に喜んでいる。
だがそれは、これまで散々女性客と浮気してきた店長との離婚への布石だった。15巻で、息子の大学入学を機に玲子さんは忽然と消える。離婚届けだけを残して。
ドラマ10話では、奥貫薫が玲子役を演じている。「絶対に許せないことって、あるのよ」というセリフが印象的だった。
「お互い恋人がいるのに、まさか――」
「ただの仕事の同僚だもの、まさか――」
「バイトの学生相手じゃないか、まさか――」
半径5m以内の人間同士が恋仲になる時に「まさか」はありえない!
ドラマではコミック6巻のケンジがシロさんに「小日向さんとふたりっきりにならないで」と懇願するシーンがミックスされている。
涙する内野ケンジにはほろりと泣けたし、西嶋シロさんのセリフ、
嫌ったり、しないよ。
が、ものすごく優しく響いて、ぐっときた。
でもでも、あーん。ドラマ終わっちゃった。
ただいま放心中。ケンジ&シロさんロスです。
砂糖と塩小さじ1をすりこんだ鶏もも肉1枚を、そのまま炊き込みます。お米1合半に生姜のみじん切りひとかけ分、酒大さじ1、鶏がらスープの素小さじ1、チューブのにんにくと胡麻油少々、葱の青いところとローリエを香りづけに入れて。
シロさんはお椀に詰めたご飯をパカッとやっていましたが、わたしはソースを入れた小さめのスープカップでパカッ。ソースは、パクチーの茎のみじん切り、生姜みじん切りひとかけ分、ナンプラー、醤油、酢大さじ1、砂糖小さじ1、レモン汁少々。
シロさんの鰯の梅煮も作りました。梅雨時期にぴったりの酢たっぷりレシピ。
翌朝は、鰯を夫と半分こ。ご飯に合う美味しさでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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