取材の一端で、市内の小淵沢町で農家さんの働く姿を見せてもらう機会があった。
紆余曲折を経て農業に携わっている方、十代から農業一筋まっしぐらという方、脱サラして移住してきた方、様々な方からお話を聞くことができた。
ひとりひとりは個性豊かな人ばかりなのだけれど、共通しているのは農業が楽しいと語る笑顔だ。
自分の生き方を考えるいい機会にもなった。
その田んぼや畑広がる畦道で、久しぶりに白や黄色の蝶がたわむれあう様子を何度も目にした。小淵沢の畑には、明野よりも蝶が多いらしい。
「自由だなあ」
楽しそうに飛び交う蝶を眺めながら、心が解放されていく。
けれど、自分でつぶやいた「自由」という言葉のなかにある「哀しさ」や「寂しさ」が、ふとよぎる。
竹内まりやの「マンハッタン・キス」の歌詞にある。
長すぎる一日をもてあまし 彷徨えば
哀しいくらい 自由なの
同じく竹内まりやの「幸せものさし」にはこうある。
自由と孤独はふたつでセット 気ままなほど寂しさもついてくる
いくら歳を重ねても、こういう気持ちから解放されることはないのかも知れない。
畦道の両脇は、畑や田んぼ。八ヶ岳も明野から見るのとは違う形をしています。
アカツメクサがそこらじゅうに咲いていました。
あ、ベニシジミ。可愛い~♩
わ、いっぱいいる。写真のなかに4頭います。蝶って1頭2頭って数えるんですね。
たわむれていた白や黄色の蝶は、写真には撮れませんでした。
反対側には南アルプス連峰がそびえています。
田んぼに映る山が見えるのも、もうあと少しです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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