先週、義母の病院の付き添いや義父の病院での面談などのため、ふたたび神戸へと帰省した。
2泊3日だったが、3日目は朝出発の飛行機に乗るので、実質2日もない。留守中の実家の掃除と庭木の剪定の立ち合いや、こまごまとした用事に忙殺された。
そんな2日目の夜、夫とふたり、以前見つからずに涙を呑んだ「ぎょうざの店ひょうたん」を目指した。
熱帯夜を予想される夕刻、三ノ宮駅周辺は暑かった。
ニューバランスのスニーカーがしっかり支えてくれていたが、やはり足が重い。
とにもかくにも、早くビールが飲みたかった。よく冷えて冷たい汗をかいた生ビールを目指して歩いていたと言ってもいい。
7年前には移転したばかりだったのか、見つけられなかった「ぎょうざの店ひょうたん」だが、今回は移転していたとしてもスマートフォンもグーグルマップもあの頃よりも性能アップしているはずだ。
「ないよ」
しかし、スマホに道案内させていた夫が立ち止まった。
「ラーメン屋になってる」
夫のスマホをのぞきこむと、たしかに地図に赤くピンが立つこの場所は、ラーメン屋だった。
消えた「ぎょうざの店ひょうたん」事件、ふたたび、である。
「もう、いいよ。とにかくどっかでご飯食べよう」
とぼとぼと入った高架下の細い通路に、しかし、「ぎょうざの店ひょうたん」はあったのだった。今年2月に閉めていた店を営業再開したという。
もっちりした厚めの皮をカリッと焼いたさっぱりした餃子に、こってり辛い赤味噌ダレをつけて食べた。ビールが美味かった。
たまにはいいことだって、あるよ。
熱々の餃子を食べながら、ただただそう思った。
信州松本空港から、飛びました。
三宮店は、高架下の細い路地にありました。
メニューは、これだけ。
ご飯もないという潔さがいいなあ。
来た! 餃子2人前です。
特製赤味噌ダレをつけて。うーん、ビールが美味い。
翌朝また、神戸空港から飛びました。
神戸空港では、けつねうろんの朝ご飯。薄味が、疲れた身体に沁みますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。