東寺は、JR京都駅からほど近い。歩いても15分ほど。新幹線の南窓から見える五重塔は、京都のランドマークタワーとも言われる立ち姿のかっこいい塔だ。
門をくぐると、歩く人はまばらだった。観光客の多かった二条城の喧騒から考えると、ドアを開けて広がる草原にでも出たかのように、開放感を覚える。
まっすぐ五重塔へ向かった。なかが拝観できる会期中。ぜひ入ってみなくては。
この東寺の塔は耐震構造に優れていて、スカイツリーを建てる際にも取り入れられたと、入口で観光案内の女性が話してくれた。
軸柱は何層にも分かれていて組み木で組み繋いであり、木と木がそれぞれ動ける柔構造。それで上下の層がたがい違いに揺れ、揺れを吸収していくのだそうだ。
「江戸の世に、そんなことを考えられるなんて、すごいよねえ」
驚きを口にしながら、なかを観て歩く。
心柱を大日如来に見立て、その周りを四仏と八菩薩が囲んでいる。足もとにはガラス窓が作られ、心柱が観られるようになっていた。
ゆっくりと拝観し、五重塔の周り、桜の木の下のベンチで休んだ。
すぐに赤ん坊を抱いた若い夫婦がやってきて、ベンチに座った。あとからおじいちゃんおばあちゃんらしきふたりが、のんびりと歩いてきた。
「桜の季節だったら、よかったのにねえ」
若い二人が話している。それを聞いて、わたしはこっそり思った。
「冬の寒気のなかで見上げる五重塔も、なかなかいいのにな」
すると、老夫婦の方が言った。
「桜の季節は、きれいだろうねえ」
それを聞いて、今度は、ああそうだなと思った。確かにきれいだろうなあと、満開の桜の花越しに見上げる五重塔が、瞼の裏に浮かんだ気さえしてきた。
わずかな言葉の違いで、こんなにも感じる気持ちは変わってくるものなのだ。
「今を、受け入れていくってことかな」
心のなかで、そっとつぶやいた。
桜の硬い蕾は、何も言わず春を迎える準備をしている。
入口の南大門です。お休みかな?と思うほど、人がいませんでした。
真下を歩いて、五重塔を見上げて。冬の空がきれい。
彼らは、この桜の硬い硬い蕾を見て、話していました。
紅白の梅がきれいでした。外国人男性が長いことカメラを向けていました。
椿もひっそりと咲いて。英語で椿はカメリアcamelliaというんですね。会社のアメリカ女子に教えてもらいました。椿、とわたしも教えました。
甘酒で、温まりました。生姜たっぷりがうれしい。
同じ日に訪れてらした京都、そんな風に思いながら、楽しみながら拝見していました。
京都に行くと言うと、いつも何処に行こうかってワクワクします。
でも二条城も大昔(笑)に行ったという記憶だけで、さえさんの写真を拝見してもちっとも思い出せません。( ノД`)シクシク…
東寺も弘法市に行っただけで、五重塔にもそういえば登った事もないな~なんて思いました。
せっかくのランドマークなのに・・・
改めて、京都ってほんとに季節によっても色んな顔があり、奥が深いなって思いますね。
行っても行っても、ますます行きたくなる、私にとってはそんな京都です。
ユミさん
わたしは京都でユミさんのブログを見て、あ~今いらっしゃるんだあと、道行く人を眺めて探したりしてしまいました(笑)お顔もわからないのに~。
京都、わくわくしますよね~。
でもやっぱりわたしも、以前行った場所も覚えていないことが多くって。二条城も修学旅行で行ったのかも知れないけれど思い出せませんでした。
東寺の五重塔は、階段を少しのぼった中2階くらいの高さの部屋だけしか見られないんですよ。だから登れるわけじゃないんです。
ユミさんの京都も楽しく拝見させていただいています♩
こんばんわ。
今更ですが、東寺、立派なお寺ですね。私は中に入ったことがないな~と思いました。
見るだけ、通り過ぎるだけの所でした。紅梅・白梅きれいですね。
また、再発見です。
結婚前に東寺の前を通って料理教室に通ったことを思い出しました。
神戸・京都。私とさえさんも交錯してますね。ふふふ。
ぱすさん
東寺、立派なお寺でした。安置された仏像も、見ごたえがありましたよ。
講堂の仏像さんたちの配置は、立体曼荼羅になっているそうです。
ぱすさんは、京都にお住まいだったんですね。
結婚前に料理教室かあ。
今日アップした『春、戻る』ともシンクロしています♩
いろいろすれ違っていておもしろいですね~♩
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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