山が綺麗だ。今が一番寒い厳冬期。山が一番綺麗に見える季節なのかもしれない。
「冬の山」は、冬の地理の季語。傍題に「冬山」「枯山」「雪山」「雪嶺」「冬山路(ふゆやまぢ)」などがある。
かくれなく重なり合ふや冬の山 蝶夢
冬山は隠れることなく堂々としている。八ヶ岳などの連峰は、たしかに重なり合っていて、ひとつひとつの頂上を際立たせている。
雪山を匐ひまはりゐる谺かな 蛇笏
「匐(は)ひまはりゐる」に雪に覆われた真っ白な山肌を谺(こだま)が自在に飛んでいる、遊んでいるような風景が思い浮かぶ。
雪嶺の光をもらふ指輪かな 浦川聡子
〈取り合わせ〉の句も多かったが、そのなかで惹かれた句。どんな指輪だろう。結婚指輪か、それとも。想像が膨らむ。
「山眠る」も、冬の地理の季語。冬の山の静まりかえったさまをいう。
山眠るまばゆき鳥を放ちては 山田みづえ
真っ直ぐに飛んでゆく鳥の姿が見えてくるような句。山の沈黙と鳥の動の対比がくっきりと感じとれた。
山眠る命名の字は濃く太く 木村蕪城
〈取り合わせ〉の妙を感じる句。どっしりと静まりかえった山。しかしそこには命の源が眠っている。子か孫かの誕生の風景が想像できた。
さて。12月の句会の兼題が「山眠る」だったが、欠席したので自作の句を記しておきたい。
日をめくるやうに色脱ぎ山眠る
詠んだのが11月末だったこともあり、眠りに入る時期の山を詠んでいた。
「素直に、見たまま感じたままに」というのを念頭に置いていたので、季語そのものを詠む〈一物仕立て〉にしたが、これからもっと〈取り合わせ〉のおもしろさを感じる句も詠んでいきたい。

一昨日の八ヶ岳です。八ヶ岳にこういう雲がかかっているときには、ものすごい風が吹きます。八ヶ岳颪です。こんな日は、眠ってないって思うんだけど(笑)

頂上は雲に隠れていますが、まさに傍題の「雪嶺」ですね。

西には、南アルプス連峰。定点観測地点は、明野町浅尾の「浅尾工区完成記念碑」がある辺り。

濃い青をしていますね。遠くの山が青く見える原理は、空が青く見えるのと同じだそうです。

鳳凰三山。

アサヨ峰と甲斐駒ヶ岳。山の名前を知りたい方は、こちら。

山の向こう、裏側には、どんな風景が広がっているのでしょう。
雪嶺の裏側まつかかも知れぬ 今瀬剛一
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随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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