毎年、新年の準備のひとつとして、暖簾を藍染めのものから、椿に替える。
椿の明るい赤は、新年を迎えるにふさわしく思えて、慌ただしい年末のなかでも好きな作業だ。
冬に咲く「椿」は、冬の季語だとばかり思っていたが、春の季語だった。
木偏に春とかくのだから春だろうと気づきそうなものだが、まったく気づかなかった。雪のなかで咲く椿のイメージが強かったのか、新年に掛ける暖簾の椿がそう思わせたのか。
新しい年も思い込みには気をつけて、自分を疑ってかかることを忘れずにいようと、引き続きの戒めを早くももらったのだった。
水に浮く椿のまはりはじめたる 藺草慶子
椿は、落ちる姿を詠まれることが多い花だそうだ。この句も落ちているのだろうが、落ちたといわず、水に浮いてまわる椿を詠んだ美しい句だと思った。
椿の傍題は多く、「山椿」「藪椿」「白椿」「紅椿」「乙女椿」「八重椿」「玉椿」「花椿」「椿林」「落椿」などがある。
聞いたこともない「つらつら椿」も傍題。
『万葉集』に「列〻椿」とあり、 葉と葉の間から椿の花が連なったように咲いているさまをいうそうだ。
「寒椿」は、冬の季語。傍題に「冬椿」がある。
毬つけば唄がおくれて寒椿 長谷川久々子
新しい年も、季節の移り変わりを感じながら俳句に触れていこうと思う。
玄関の暖簾は、毎年大掃除後にこの椿に替えます。
夫が活けた庭の南天。11月にわたしが飾ったドライにしたツルウメモドキも、お隣に。
「南天の実」は、秋の季語。
億年のなかの今生実南天 森澄雄
玄関に20年ほどいる彫刻「沈思」。どうか穏やかな1年になりますように。
☆新年明けましておめでとうございます!
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
明けましておめでとうございます。
地震のお見舞いをありがとうございました。
本震の時、こちらも随分揺れた感じがして怖かったのですが、後で震度を見ると3でした。
怖がると体感も変化するのでしょうね。
そちらも揺れたようですね。
元旦だというのに本当に一寸先は闇ですね。
椿の暖簾、とてもいい感じですね。
私も年末に古くなった台所用品を一新しました。
こんな機会にやらないとズルズル使ってしまいそうで・・・。
書き忘れていたのですが、俳句のすごい賞をもらっていたのですね。
とてもいい俳句ですね。
今年もどうぞよろしくお願いします。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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