庭の栗が落ち始めたので、栗ご飯を炊いた。
まだ甘みが少ない、野生の栗の味がした。
これから、どんどん甘くなっていく。収穫したら、新聞紙に包みジップロックに入れてチルドルームでしばらく熟成させると甘くなる、ということも覚えた。
「栗」は、秋の植物の季語。
行く秋や手をひろげたる栗のいが 芭蕉
傍題は多い。
山栗、柴栗、丹波栗、毬栗、落栗、焼栗、ゆで栗、栗山、栗林、栗拾など。
「笑栗(ゑみぐり)」は、毬が開いた状態を微笑みになぞらえた言い方。「虚栗(みなしぐり)」は皮ばかりで中に実のない栗。
灯の暗き丹波の郷や虚栗 赤尾恵以
また、「栗飯(くりめし)」は生活の季語だ。
栗飯のまつたき栗にめぐりあふ 日野草城
栗ご飯の栗は、割れていたり欠けていたりするものだけれど、「全き栗」完全で欠けていない栗に当たると、なんと嬉しいことか、といった秋の味覚の喜びを詠んだ句。
栗の顔目鼻正しく現るる 川端茅舍
こうして栗を詠んだ句を味わうと、「栗」という木の実が、暮らしのなか、そして四季が巡ってゆくなかで、いかに重きを置かれていたか、大切な存在だったのかを知る。
身近にある「梅之木遺跡」でも、縄文時代の人々が主食にしていたことがわかっている。栗は、太古の時代からずっと愛されてきた木の実なのである。
初収穫は、これだけ。
一合のお米に7個の栗を入れて、栗ご飯にしました。全き栗でしたが、しゃもじでわざわざ割りました(笑)
朝から栗を剝いて、栗ご飯。忙しかった若い頃には考えられないスローライフです。
台風の影響で雨が降って、落ちてきた栗は100個以上ありそう。
その後、ブルーシートを広げて栗を落としました。毬が茶色くならなくても、けっこう太っています。
ゑみ栗も、いくつもありました。
茹で栗も、美味しい。
雨くらきわびしさに栗茹でてをり 水原秋桜子
お庭で栗が収穫できたなんていいですね。
虚栗…みなし栗 実が入っていない栗の事なのですね。
知りませんでした。
>朝から栗を剝いて、栗ご飯。忙しかった若い頃には考えられないスローライフです。
本当に贅沢で豊かな朝ご飯になりましたね。
季節を味わう暮らし、いいですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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