久しぶりに、梅之木遺跡を歩いた。
ゆっくりと連載を重ねている「田舎暮らしの楽しみ方」シリーズも、23回目を数える。今回は「縄文時代へタイムスリップ」。
北杜市周辺には、縄文遺跡が数多く眠っている。北杜市で田舎暮らしをするのなら、縄文を楽しまずして何を楽しむというのだろう。
ということで、梅之木遺跡に写真を撮りに出かけたのである。
久しぶりに竪穴式住居を見て、驚いた。
住居の屋根に草が生え、緑におおわれていたのである。
土屋根でできているのは知ってはいたけれど、そして、土なら雑草は生えるだろうとはわかるのだけれど、想像の範疇になかった。
草萌ゆる季節、縄文人たちは、緑の竪穴式住居で暮らしていたのか。
「三十三土偶札所巡り」で、土偶や土器を数え切れないほど見て歩き、だからこそ縄文のイメージは赤茶けたモノクロームに近い色合い、そう、セピアカラーのような印象がつきまとっていたのだ。
ぱっと目の前が、開けたような気分だった。
セピア色だった竪穴式住居が緑に色づき始めると、地面も森も空も滴るような色合いを取り戻していく。
「さあて、今日もいい天気だ。一日が始まるぞ」
そう言って、穏やかな笑顔をした縄文の人々が緑の竪穴式住居から出てくるような気がして、ひとり微笑んだのだった。
青空と白い雲。そして、竪穴式住居。
竪穴式住居が、草に埋もれていました。
実際に、縄文時代にもこうして草が生えていたんだろうなあ。
こちらは夫が、ドローンで撮った梅之木遺跡。環状住宅になっているのがひと目でわかります。
真上から見た竪穴式住居。縄文人が、頭を出しそう。
☆『地球の歩き方』山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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