先週、友人とランチした際、ストレス解消法は？　という話になった。

わたしが、車の運転がけっこうストレス解消になっていると言ったからだ。

「ひとりでじっとぼんやりしてるのが大好きなのに、自分のなかの多動の部分が、移動することを求めてるんだよね。で、運転するとホッとする」

「そうかあ。そういうものが何かひとつでもあるといいよね」と、彼女。

そう言えば、とむかし訊いた話を思い出した。

「ストレス解消法は？　って訊かれて、『ほうれん草を茹でる』って、きっぱり答えた人がいたよ」

「えっなんで、ほうれん草？」

「緑が、いいのかな？」

「ブロッコリーや、オクラじゃだめなの？」

「ほうれん草、限定らしい」

「いろんな人が、いるねえ」

「人の心のなかは、謎だねえ」

「わたし、野菜刻むのもけっこう好きだな」

「あ、わたしも好きかも」

そう話しながらランチしていたのは、古民家の五月の風が気持ちのいい縁側の席で、気持ちはゆるりとほどけていく。

そこで、ふたりうっとりしながら言う。

「わたし、包丁使うの好き」

「わたしも、包丁で刻むの好き」

そして、なんか、これやばい。怪しい人っぽいね、と笑った。その笑い声と一緒に、重くカチコチに固まったストレスもふわりと軽くなり、五月の風に吹かれて飛んでいったような気がした。

『キッチンオハナ』でランチしました。大根と新玉葱の冷製スープ。

ワンプレートランチは、ヴィーガン対応の野菜レシピです。

さつま芋とラム酒のプリン。ラム酒が効いてて、美味でした。