取材先で、食用のほおずきを収穫させてもらった。
何年か前から出荷されるようになったこの果物のような野菜は、「フルーツほおずき」「ストロベリートマト」「オレンジチェリー」「ほおずきトマト」など、様々な名前で呼ばれているらしい。
野菜と分類はされていても、ケーキやアイスクリームに添えたり、ジャムにしたりして、フルーツのように食べられている。
以前地もとで収穫したものを食べたことがあり、血中コレステロールを下げ動脈硬化や脂肪肝の予防効果大のスーパーフードだとは知っていた。
どんな味かと言えば、甘みとほんの少しの酸味。トロピカルと形容される口のなかではじける香りは、パパイヤを連想するがそれとも違っている。自然のなかで作りだされたとは思えない、あたかも人工的に作られたもののようにも感じる。美味しいが、不思議な味だ。
たぶん50年以上生きてきたなかで体験していない、知らない味だからそう感じるのだろう。
体験していないと言えば、東京に生まれていながら、毎年7月に市が立つ浅草のほおずき市には一度も行ったことがない。
浴衣を着て、ほおずき市や朝顔市などの風情のある祭りを歩きたいと憧れていたのだが、人混みが苦手で億劫になり、どちらも一度も出かけず仕舞いだった。
そのほおずき市も、今年は中止になったそうだ。
来年は、再開できるのだろうか。
いつでも行けると思わずに、行きたいと思ったら行っておくべきだなあと、今になってほおずきが並ぶ市に思いを馳せている。
まだ緑のほおずき。形は、普通のほおずきと同じです。
ほおずきの花、初めて見ました。知らなかったけど、普通のほおずきは白い花が咲くんですね。
ガクが干からびて落ちたものだけを、収穫するんですよ。
ガクは干からびていても、なかの実はつやつやで瑞々しいんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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