CATEGORY

BACKNUMBER

OTHER

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

夫の料理

少し前のこと、東京の母のところへ日帰りで行った際、帰りが19時頃になってしまった。

夫が、「夕飯は任せて」というのでお願いすることにした。

 

帰宅したときには、支度は調っていた。

冷たい蒸し鶏、胡瓜とクラゲの和え物は冷蔵庫に鎮座していて、わたしが風呂から上がると、麻婆豆腐を作り、熱々を出してくれた。

麻婆豆腐は、わたしもクックドゥを使うので同じ味かと思ったが、なにやら隠し味を加えたようで、いつもよりもくっきりとした味わいに仕上がっている。

蒸し鶏のタレも、胡瓜とクラゲの和え物も、ネットレシピで作ったらしい。

なかなかに美味しかった。

 

なにより目から鱗だったのは、食器選びだ。

盛りつけるうつわも、取り分ける食器も箸も、すべてセッティングしてくれた。

同じ食器棚から選んでいるのに、微妙に違う。それがおもしろかった。

それは、自分のなかにある凝り固まった思い込みのようなものを垣間見た瞬間でもあった。

夫が引退し、家事を任せる時間が増えるにつれ、たまにふっと感じることである。

「こうせねばならない」

そういう思い込みはない方がいいと、常々考えている。

にもかかわらず、そうしたものが自分のなかにも根が張っている。

「いけない、いけない」

頭を振り、真ん中へ立ち戻る。水のように水平になり、身を任せる。

 

すべて任せて料理を出してもらう夕餉は、心落ち着く穏やかな時間だった。

麻婆豆腐に、笠間のうつわも使ってくれていました。蒸し鶏の盛りつけがきれい。

取り皿も、わたしのセレクトとはちょっと違っていて。

トマトの切り方も、微妙に違っていました。当たり前か~

胡瓜とクラゲの和え物。めっちゃ美味しかった。このうつわは、20年ほど前に所用で宇都宮に行ったときに見つけました。なつかしい。

スモークベーコン作りは、たまにやりたくなる彼の行事のようなもの。年に2回くらいかな。以前のブログを見ていたらビーフジャーキーにも挑戦していました。

COMMENT

管理人が承認するまで画面には反映されません。

CAPTCHA


  1. ぱす より:

    こんにちわ
    疲れて帰って来たところに、ご主人がごはんを作ってくれている。
    嬉しいですよね~。
    器の選び方にも、それぞれの個性が出ていて、そういう目線でもおもしろいものですね。

    我が家の夫も、だんだん腕を上げて来ましたよ!(笑)
    ずっとずっと何十年もごはん作って来た私としては、チッと思う時もありますよ。
    結構、自信満々な風なんでね。(笑)

    でも、そこは夫婦で張り合っても仕方ないので、ありがたくいただいてます。
    疲れている時は、本当に助かりますよね。
    器の使い方。私も思う時あります。そこで、それ使う?って。
    夫はまったく考えてないのですが、目からうろこありますね。

    「怪物」良かったですか。
    私も映画館が遠ざかっているので、みなさまの映画評が楽しみです。

  2. さえ より:

    >ぱすさん
    こんにちは~
    ぱすさんも経験あるんですね。
    ていうか、ぱすさんのご主人、お料理上手ですよね(^_-)
    気軽にキッチンに立っていろいろお料理していて、すごいな~と、よく思いますよ。
    自信満々な風(笑)
    うつわの使い方、たぶん自分のなかに決めごとみたいなものがあるんでしょうね。ずっと一緒に食べてるのに、不思議な感じもしますね。
    『怪物』よかったですよ。ぱすさんも、ぜひ観に行ってください。

  3. hanamomo より:

    素敵なご主人様!
    お出かけして帰ってくると何かと疲れますよね。
    そんな時こんな美味しそうなお夕食が待っているなんて!

    センスのいいお皿選び、すごいです。
    ご主人、お仕事している時もこうして作っておりましたか?

    麻婆豆腐、我が家は丸美屋を使っていたのでこの次はクックドゥを使ってみます。

  4. さえ より:

    >hanamomoさん
    夫は会社を引退してもうすぐ2年になります。
    仕事をしていた頃には、しなかったけど、今はなにかと進んで家事を引き受けてくれます。
    毎朝の洗い物は、彼の担当になりました。
    でも、料理はハードル高いみたいです。
    少しずつ気軽にキッチンに立てるようになってきてはいますが。
    麻婆豆腐、辛いのお好きならクックドゥのなかでも四川風がおすすめですよ(^_-)

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

ご意見などのメール

CATEGORY

カテゴリ

BACKNUMBER

バックナンバー

CALENDAR

カレンダー
2024年5月
« 4月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

COPYRIGHT © 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI. ALL RIGHTS RESERVED.© 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI.