Amazon Prime Videoで観た映画『大綱引きの恋』は、鹿児島が舞台だ。
鹿児島県川内(せんだい)市の「大綱引き」は、420年以上の歴史があるとされ、一説には関が原の合戦の際、島津義弘が兵士の士気を高めるために始めたと言われているそうだ。
3,000人もの男たちが綱を引き合う「大綱引き」の人間模様を描いた映画である。
〈cast〉
有馬武志【三浦貴大】鳶職、有馬組三代目。35歳、独身。
ヨ・ジヒョン【知英】島の診療所に勤務する研修医。
有馬敦子【比嘉愛未】武志の妹。下方の料理人と恋愛中。
有馬文子【石野真子】武志の母親。
有馬寛志【西田聖志郎】武志の父親。
〈story〉
年に一度の大綱引きは、川内の人間にとって何より大切な祭りだ。上方、下方に別れそれぞれ1,500人もの男たちが綱を引く。
そのトップに立ち、太鼓を叩いて作戦を伝える”一番太鼓”は、もっとも重要な役回り。父親の寛志が以前”一番太鼓”を勤め上げたことから、武志も周囲から期待されているが、人を押しのけて自分が、という性格ではない。縁の下の力持ちタイプだ。父はそんな武志を歯がゆく思っていた。
事件は、平行して起こる。
①人命救助の現場で、武志は医師である韓国人女性ジヒョンと出会う。
②母、文子60歳にして、突然の引退宣言。有馬組女将と家事全般をストライキする。
③妹、敦子の恋。有馬組は上方だが、相手は下方のリーダー格だ。
夏が過ぎ、大綱引きの日は迫っていた。
綱引きの起源は韓国にあるそうだ。川内市はそれゆえ韓国と友好を深めていて、武志も韓国語に堪能だ。
ジヒョンの言葉が、印象的だった。
「綱引きって不思議。戦うのって、普通は押し合うものでしょ。レスリングだって、柔道だって、ラグビーだって」
「そう言われれば」
「引くのを争うのは、綱引きだけだと思う」
武志は、押して勝ちにいくことはない。周りに気を配り、自分を表には出さないタイプだ。
優しいと、頼りないは、同義語ではない。
引いて競う綱引きは、武志にもっともふさわしい戦いなのかもしれない。
昭和な雰囲気を思わせる画像ですね。映画全体にも、昭和が漂っていました。古き良き時代から大切につないでいきたいものが詰まった映画でした。
予告編は、こちら。
☆画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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