先日、夫が東京に行った際、お土産を買ってきた。
これまで、一度として土産など買ってきた例しがなかったというのに、どうしたことだろう。まあいい。そこは、追求しないでおこう。
「あ、うれしい。しらす山椒だ」
数あるなかから、好みのものを選んでくれたようだ。
「季節の佃煮、柳ばし小松屋」は、神田川沿いの橋「柳橋」の袂にある明治時代から続く佃煮屋だそうだ。小さなパンフには「江戸の味」と四角く囲ってかいてある。
一昨年、神田川クルーズで通った場所なのに、佃煮屋さんがあるなんて知らなかった。
パンフには、こうもある。
本物の江戸前佃煮
本来佃煮は、冷蔵庫や真空包装のない時代に考えられた保存食です。
食べてみると、たしかに江戸の味だった。
というのも、小魚の佃煮といえば、我が家では神戸のいかなごの釘煮であり、釘煮はけっこう甘い。砂糖や味醂もふんだんに使って、煮るのだろう。
比べるわけではないけれど、舌が馴染みの味を覚えているのである。
じっくり噛みしめると醤油が勝った味わいが潔く、旨味と新鮮さとが”江戸の味”となり、口のなかに広がっていくのだった。
「しらす山椒」は、うれしい。
東京の会社に出勤する日々には、お土産という発想はなかったのかも。引退して3年。これからは、どんどんお土産買ってきてくれるかな~♩
可愛らしい”曲げわっぱ”に入っていました。
夫婦ふたりで食べるには、ちょうどいい量です。
蕗味噌と、交互にご飯のお供にしています。
山椒がぴりりといい感じ。
あさりや牡蠣、穴子、きゃら蕗もありました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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