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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

手に馴染む

先日、宿泊した夫の友人に朝食を出した際言われ、驚いた。

「このお椀、漆塗りの手触りがいいね」

「そうお?」

「うん。なんか軽すぎなくていいよ」

椀は4~5年前に購入し、毎朝の味噌汁に使っている。

だが、そうだった。同じ北杜市にある『夢宇谷』で手にとったとき、ああ、この感触、この重さがいいな、と思い購入したのだった。

今ではすっかり、手に馴染んでいる。手触りのことなど指の端にも頭の隅にも感じることなどなくなっていた。

 

忘れたのとは違う、馴染むという感覚。

椀はすでに我が家の食卓風景の一部となり、けれど日々その手触りとしっくりくる重さとを、わたしに、そして家族に、感じさせてくれていたのだ。

「こういうものに、支えられているんだな」

不意にそう思った。

何でもない「ナティン」な毎日だけど、辛かったり落ち込んだりすることもある。だけどこうして毎日使っている馴染みのものたちが、ものも言わず応援してくれている。そう思うと、勇気が湧いてきた。

CIMG2775これがそのお椀です。黒2つ、赤3つで5つあります。5人家族だったからね。

CIMG2772夫が結婚式の引き出物でいただいた「おめでたい」というお吸い物。

CIMG2777お椀に入れて、鯛の真ん中に穴を開け、そこに熱湯を注ぎます。

CIMG2784手品のように中からいろいろ出てきました。お出汁の効いたいいお味でした。

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  1. Yasuko より:

    すっかり手に馴染んでいるお椀の感触。
    漆塗りのお椀の感触がそのまま両の掌に伝わってくるようで嬉しくなりました。
    赤と黒のお椀に「おめでたい」お吸い物の鯛が可愛く収まっている風景?いいですねぇ。
    「日々のその手触りとしっくりくる重さ」そういうものに支えられているのだ、と。
    世の中便利になり、それらに助けられて暮らしているのですが、「しっくりくる重さ」の大事さを忘れたくない、とひとり頷いています。
    漆塗りは確か30何回も塗り重ねると聞いたことがありますが、日本独特のものではないかと、塗り物に対する拘りを久々に思い出して豊かな気分になりました。

    • さえ より:

      Yasukoさん
      最近「漆」を英語で「Japan」ともいうのだと知りました。
      日本独自のものだからなんでしょう。
      30回も重ね塗りするんですか。手間をかけて作られているんですね。
      便利な世の中に助けられながらも、手や肌に感じるもの、重み、そういうものを大切に暮らしていけたらいいですね♩
      鯛のお吸い物、可愛らしいばかりか、柚子が効いていて美味しかったです。

  2. 悠里 より:

    夢宇谷の器ですか、実物を拝見しなくても、その手触りが伝わってくる感じがします。 年に1~2回しか行けないですが、雰囲気好きなお店です。
    周りの自然に溶けこみ、展示品もそれぞれ素敵‼

    お吸い物も美味しそう! それにしても中身、可愛らしい花。以前いただいた物は、もっと、さみしかった記憶あります。

    新井りんご園 行って来ました。やはりスーパーの物とは味は全然違って美味しかったです。それと、大根の
    アップル漬もありました。満足、満足
    また行きます。自宅から1 1km 道も空いていて思ったより近かったです。教えていただいてありがとうございました。さえさんが車を走らせた道かな、と考えながら自然も満喫の 日でした。

    • さえ より:

      悠里さん
      夢宇谷、いいですよね~わたしも年に1~2回ですが楽しみに毎年行っています。
      鯛のお吸い物、可愛いですよね~♩最近は引き出物ひとつにも凝っていますよね。
      『新井りんご園』行かれたんですね~林檎も美味しくて、お目当てのお漬物もあったようで、よかったです。
      我が家からは車で5~6分です。明野の風景は、同じ山梨から来た人にも、大自然だ~と感心されることが多いですね~かなり田舎なんですよね(笑)

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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