ふるさと納税でいただいた益城町の馬刺しを楽しんでいる。
なかでも初めて食べたコウネという部位「タテガミ」が驚くほど美味かった。
コリコリとした食感で、脂身なのだがさっぱりしている。
にんにくや生姜、葱などの薬味をたっぷり用意し、濃い醤油でいただく。
赤身と一緒に食べるとさらに美味しく味わえるというので、一緒に入っていた上馬刺しと合わせたら、たしかに食べやすく、脂っこさを感じることなく平らげてしまった。
タテガミといっても、もちろんタテガミそのものではなく、タテガミが生えている部位だ。
言葉からは、タテガミを風に揺らし草原を駆け抜ける馬を連想するが、だからといって食べることに躊躇はない。
意識することは少なくとも、日々動物や魚の命をもらって生きている。
それを再認識し、美味しくいただかなければと思うだけだ。
子どもの頃、十歳くらいだっただろうか。イイダコの煮物が食卓に上がった。小さな蛸についた目玉がぎょろりとこちらをにらんでいるかのように思えて、口に入れることができなかった。
「かわいそうだから、食べられない」
そう言ったわたしを、父がいさめた。
「かわいそうだからじゃなくて、気持ちが悪いからだろう」
結局イイダコは食べなかったが、自分の気持ちをごまかして「かわいそう」と言い換えた自分を恥じたことを今でも覚えている。
タテガミはコラーゲンたっぷりで、美容にもいいそうだ。
サガリ、フタエゴなど、解凍しては少しずついただいている。白いのがコウネ、赤身は上馬刺しです。
こんなふうにそれぞれ小さなパックで冷凍で届きました。
フタエゴは、バラ肉のなかでもわずかしかとれない希少部位だそうです。
九州の濃いたまり醤油もついていましたが、足りなくなってからは「旅するだし醤油」で。馬刺しは、薬味たっぷりが美味しいよね。
これも味わいの濃いお醤油です。
ハラミと似た「サガリ(横隔膜内側)」。少しずついただいて、パワーつけています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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