夕飯はよく、バーで軽く飲もうということになる。
イタリアンは美味しいけれど、シニアのわたしたちには毎日たっぷり食べたいという料理ではない。
ともに酒飲みなので、つまみとビール、あるいはワインがあればいい。
夫がカメラを手に、ゲストハウス周辺を歩いて見つけたバーに、夜8時頃行ってみた。地区は同じトラステヴェレだ。
けれど、店の前には人だかりができていた。
「あれ、すごい人」
「あー、こういうところも予約しないとダメなのかなあ」
戸惑いつつも店に入り訊いてみると、今夜はイベントで、€10のブッフェ+飲み物のみなのだという。
ちょうど軽く食べようと思っていたので、好きなものを好きなだけ食べられるのならと、奥のテーブルに通してもらった。
隣でアンティークショップを営むオーナーの店だけあって、内装や家具、オブジェなどが独特で楽しい。アジアンテイストかと思えば、レトロアメリカンな感じもする。
わたしの目の前には、薄いターコイズを基調にした花や鳥が描かれた濃いテイストの壁が広がり、小さな布のランプシェードも似た感じのもので、同色の角が丸い可愛らしい食器棚が置いてある。
そういえば、と思いだした。
ひとり暮らしをしていた頃、部屋は、白とペパーミントグリーンを基調にしていた。
こんなランプシェードがあったら素敵だっただろうな、と考える。二十歳の頃のわたしは、今思うとシンプルであることにこだわりすぎていた。
こういうごちゃごちゃと好きなものを集めた部屋で暮らしてみたかったなあ、と後悔に似た気持ちを、きめの細かいビールの泡に浮かべ、静かに飲み干す。
いや、と不意に思い直した。
過去は変わられないけれど、未来は自分次第だ。
もしもこのランプシェードをどうしても部屋につるしたいと思うのならば、そうすればいい。そうしないのも、また自分の選択なのである。
行ってみると、ブッフェパーティでした。
家具もオブジェも、風変わりです。
ヤモリくんに守られています。
メニューはけっこうヘルシーで、軽く食べたかったのでちょうどいい感じ。
イタリアも、クラフトビールが充実しているようです。フルーティで美味しかった。
薄いターコイズの食器棚を前に、飲んでいました。
このランプシェード、欲しいけどなあ。
途中で出てきたニョッキが、めちゃ美味しかった。
わたしは、この棚を背に座っていました。
トイレも、お洒落。
トラステヴェレの夜は、更けていったのでした。
ボンジョルノ!
雰囲気のあるバーだし、10ユーロで食べ放題!
ワインもビールもどちらも合いそうなおつまみですね。
ちなみにさえさんご夫婦は旅先でワインをボトルでオーダーされるのでしょうか。
私はアレに憧れてまして、でもなかなか。
以前ベトナムでツアーでご一緒だったご夫婦がボトルを。わぁおしゃれ~って思いました。
先日乗鞍高原でも隣の席のご夫婦が白の五一ワインをボトルで。
部屋に持って帰れるようで、心揺れましたが夫はそれほど飲まないし翌日登山だし、断念しました。
グラスで何杯かお代わりするなら、割安なんですけどね。
そちらは暑いんでしょうか。
寒いんでしょうか。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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