リスボンを後にして、向かった先はモンサントだ。
1938年に「ポルトガルでもっともポルトガルらしい村」に選ばれたモンサントについて、『地球の歩き方』ポルトガルに、こうある。
モンサントの村は、まるごと岩のアート。石造りの家が岩にしがみつくように立ち並び、ある家は大岩を家の壁に利用している。岩と岩との間に家を建てたといったほうが正確かもしれない。
これを読んだ夫はここに行きたいと思っていたらしく、そんなとき、NHKの『関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅』でその映像を一緒に観て、ぜひ行こう! ということになった。
しかし、遠く不便な村だ。リスボンから2時間急行に乗り、カステルブランコ駅からバスで1時間半。そのバスも1日2便しかなく、途中乗り換えなくてはならない。
バスの車窓から、山の上にモンサントの村が見えたときには、思わず歓声を上げた。
確かに「まるごと岩のアート」だ。
大自然の大きさに圧倒される。そしてその大自然を受け入れ、この土地で暮らす人たちの生き方にまた、圧倒される。
山上に城を構えていた頃、多くの人たちがここに移り住み、城を守ってきたのだろう。今暮らしているのはその人たちの子孫なのだろうか。生まれ育った村で暮らす。それはごく自然なことだったのかも知れない。
あり得ない、とか、ムリだろう、とか、そんなことは考えず、そこにある石を利用して、生きている。
最初からムリだろうとあきらめることが多いわたしは、モンサントの人たちに、巨大な石に、青く抜けるような空に、小さな勇気をもらった。
着いた! バス停から、石造りの家が並ぶ街並みを歩いて。
大きな石が家と同化しています。
宿に荷物を置き、山のてっぺんの城跡まで登ってみました。
モンサントの家並みと、その下にも広がる街が見えました。
間近には石、石、石。
屋根の上に家よりも大きな石がのっかった家。
小人の家、おもちゃのお家のようですが、人が暮らす家です。
路地にも巨大な石があります。
雄鶏が目印のルカーノ塔があるミゼリコルディア教会まで歩きました。この雄鶏は、「ポルトガルでもっともポルトガルらしい村」に選ばれたときに贈られたものだそうです。
帰って来て、宿のウッドデッキレストランで飲んだビールは、美味しかった! 山登りでした。
そして、なんとも美しい夕焼け。
ベッド&ブレックファストのみの宿も、石造りです。
翌朝は、夜明けとともに出発。泊った宿にも大きな石が乗っていました。
さよなら、モンサント。さよなら、雄鶏。
モンサント 「ポルトガルでももっともポルトガルらしい」のですか?
映像に息をのむ思いです。「石造りの家が岩にしがみつくように、ある家は大岩を家の壁に利用している」「巨大な石に、青く抜けるような空に、小さな勇気をもらった」と書かれていますが、
*大きな石の隙間に建てられたような家
*屋根の上に家より大きな石がのっかった家、まるで大石に今にも押しつぶされそうに見える映像
*路地にも巨大な石が・・・と見ていくうちに、不思議な安定感を覚えました。
巨大な石に守られて・・というより石との一体感とでも言えばいいのでしょうか・・・。
ポルトガルはロマンいっぱいの国だったのですね。感動です。
yasukoさん
モンサント、素敵な村でした。行けてよかったです。
実際に目で見ても信じられないような、夢を見ているような感じがしました。
>巨大な石に守られて・・というより石との一体感とでも言えばいいのでしょうか・・・。
守られている。なるほど、そうですね。
一体感。ほんとうに、暮らしている方たちにはそういう感じなんでしょう。
ロマンいっぱいの国ですねえ♩
こんばんは。ポルトガルの旅楽しませてもらっています。
この町のこと関口さんのたびで見ました。
彼も石造りのホテルに泊まっていました。
同じホテルではないかな、似ています。
中は暖かいですか?
どうぞ気をつけてお帰りくださいね。
お土産話楽しみにしております。
hanamomoさん
こんにちは。
ポルトガル旅レポ、見てくださってありがとうございます♩
帰って来て、ホッと一息ついているところです。
関口さんの番組、ご覧になっていらっしゃいましたね。
モンサントのホテルは、たぶん違うホテルだと思います。
関口さんが泊っていたところは、部屋のなかに巨大な石が張りだしている感じだったように思います。調べてみたのですが、どこのホテルなのかわからなかったんですよ。
部屋はオイルヒーターを2台つけていただいていて、とても温かでした。
旅レポ、モンサントのあと、ポルトへ行ったので、もう少し続きます。楽しんでいただけるとうれしいです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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