庭の辛夷が、咲いた。
真っ白い花びらを6枚、ひらひらと風に任せ揺れている。
美しい、という言葉よりも、儚い、頼りない、といった形容の方がしっくりくる。
蕾が赤ん坊のこぶしに似ていることから、ついた名だとは以前かいた。
青空に喝采のごと辛夷咲く 白濱一羊
『俳句歳時記・春』に載っていた句だ。
まさに青空に拍手喝采を送っているかのように、握りこぶしを広げ、咲いている。
今この時期の辛夷と青空を見るからこそ、なるほどとうなずける句である。
『実作俳句入門』の「今を描写する」という章にある。
写生は俳句の基本です。それが目的ではなく、卓れた俳句をつくるための手段として写生を大切にしなくてはなりません。
辛夷の花を、ハンカチを振っているようだと思ったことはあれど、拍手をしているようだと考えたことはなかった。
写生に加え、個性的な発想、独自性もまた必要になってくるのである。
雨上がりの青空に喝采を送る辛夷を、笑みをこぼしつつ見上げた。
今年は20ほどの花を咲かせています。
蕾の様子も可愛らしい辛夷です。
儚げ。
ミツバツツジも咲き始めました。
まだほとんどが蕾ですが、今年はたくさん咲きそう。
桜は、雨でずいぶん散りました。
雪柳も、これから。
徳光和夫さんが、いちばん好きな花(笑)
ムスカリが、土筆のようににょきにょき伸びてきました。
スノーフレークも、ひとつふたつ咲き始めました。
ふきのとう大収豊作だった今年。4回も蕗味噌を作ったのは、初めてのこと。今、蕗が葉を広げています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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