年末年始以降、落ち着いてパンを焼く機会を持てなかった。
天然酵母パンを焼くには、時間が必要だ。丸1日家にいる日の前日夕刻にこねなければならない。
そのうえ、酵母の賞味期限は10日ほど。
ランダムに予定が入っていることが多く、酵母をダメにしてしまうこともあり、酵母作りに二の足を踏んでいるうちに2月もはや半ばとなってしまった。
コロナ禍で始めた天然酵母のパン作りは、長く家にいられる時間がプレゼントしてくれた産物だった。
15時間以上、生地を寝かせて、さらにガス抜き、ベンチタイムを繰り返し、オーブンのなかで二次発酵。
それからオーブンを余熱し、30分から35分焼く。
焼いた後も、約1時間冷ましてから保存袋に入れるから、焼けたからと放って出かけるわけにもいかない。
手のかかる子だ。
コロナ禍に突入した頃に比べ、今ずいぶんと在宅時間も減った。『地球の歩き方』の取材、エッセイサークルや手話教室、ピラティスに俳句の句会もある。
友人と会ったり、東京に出かけることも増えた。
引退シニアも、けっこう忙しい。
すべてがスローになり、ひとつひとつに時間がかかるようになったから、余計にそう感じるのだろう。
時間とは、不思議なものだ。
時間がある、時間がない、とよく言葉にするが、言葉にできない奥深さがある。
久しぶりにクランベリー胡桃パンを焼いて、かみしめるようにゆったりと時間を味わっているような気がした。
今ここにある時間を、存分に見つめ、味わう。
そんな当たり前のこと、そしてとても大切なことを、思い出した。
部屋が寒いせいか、15時間経って膨らまず20時間以上発酵させました。
ガス抜き。
ベンチタイム。これを2回繰り返してから、オーブン35℃で1時間発酵させます。
クランベリー入りの場合は、200℃で35分焼きます。
よかった。久しぶりだけど、ちゃんと焼けた。
ポークソテーの夕餉。
レンコンのカルパッチョ&鰹のカルパッチョ。
こんにちは~。さえさん。
酵母パン作りがそんなに手間暇かかるものだとは知りませんでした。
パソコン教室に来てくれる生徒さんが焼いて持ってきてくれますが
もっと、畏まって食べなきゃと思いました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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