富士見へと向かう途中、蕎麦屋でランチした。
朝食がゆっくりだったから、蕎麦くらいの軽いランチがいい。
休日出かけるとそういう話になることも多いし、信州、そして長野に隣接する北杜市は蕎麦処でもあり、美味しいと評判の手打ち蕎麦の店はいくらでもある。
ところが、つい先月のこと。
夫が友人たちと評判の蕎麦屋に行くと、平日であるにもかかわらず行列ができていて、その上並んでいる人の分だけで蕎麦もなくなってしまうと断られたらしい。
次に、やはり名の知れたほかの蕎麦屋へ向かうも、1時間待ちとのこと。
しかたなく近くの蕎麦屋へ行くも、注文は間違えるわ、間違えても謝りもしないわ、蕎麦もイマイチだわで、散々だったと聞いていた。
検索した蕎麦屋に向かう途中、夫は半ば自嘲気味に言う。
「最近、蕎麦に嫌われてるからなあ」
「あと30分で閉店だって、スマホも言ってるし」
「蕎麦がなくなってても、おかしくないしな」
ナビが指し示す道は、まるで不安をあおるかのように細くさびれた場所へと進んでいく。
「ほ、ほんとに蕎麦屋、あるの?」と、わたし。
「なくても、もう驚かないから」と、夫。
然れども、蕎麦屋はあった。
待たされることもなく出てきた二八の手打ち蕎麦は、ことのほか美味かった。
あった! 手打ちそば「香草庵」。
意表をつくような洋館でした。
天井には木製のシャンデリア風ライトが。
石臼で蕎麦粉を挽いた二八で打った蕎麦の鴨南蛮。出汁も旨みが濃かった。夫は、鴨せいろにして、つゆをつけずに蕎麦の味をじっくりと味わっていました。
紅葉もお蕎麦も、満喫しました。
山梨は紅葉が見頃なんですね~
関西は地元は色づき始めたくらいで、これからが楽しみです。
蕎麦に嫌われ続けてても、いいお店と出会えたんですね。
ポツンと一軒家みたいなお店なんですね。
しかもお洒落な洋館のような佇まい。
やっぱり山と似合いますね。
最初のお店で入れなかったからこそ、出会ったなんて、やっぱりご縁があったんですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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