スペインの民族舞踊フラメンコは、発祥の地は定かではないが、アンダルシアのどこかだと言われている。
ということで、アンダルシアはセビージャのタブラオ(フラメンコのライブハウス)に観に行った。
タブラオ「Los Gallos(ロスガリョス)」は、1966年創業の老舗。
小さなステージだったからだろうか、踊り手が大きく見えた。いや、ステージのせいだけではない。その存在感に圧倒されたからだろう。
フラメンコはどうだった、と訊かれても、こればかりは言葉では言い尽くせない。
情熱とか、魂の叫びとか、心の片隅にある悲哀とか、溢れ出す歓びとか、そういった何もかもが、刻まれるリズムから、踊りから、歌から、ギターから、伝わってくる。
観ているわたしは、ほとばしる熱いものを受け取るだけで精一杯で、それすら抱え切れず、舞台が終わった瞬間ふと我に返ると呆然としていた。
スペイン人は律儀で親切だと再認識した旅となったが、言い換えれば”クール”だとも言える。
けれど多分、その”クール”な顔のなかに、うちに秘めた熱いものを持っているのだろう。熱くほとばしる情熱は、いつもは外に出さない方が、かっこいいのである。
ほんとうに小さな舞台でした。開演前。開演中は「no foto」でした。
撮影OKとなった、フィナーレの様子。
カンタオール(歌い手)の熱唱の様子が伝わるでしょうか。
自由席だったので、思い切って最前列に座りました。迫力が半端なかった。いちばん長かったスカートは鼻先をかすめていきました。
女性の踊り手は、バイオーラ。男性は、バイオールと呼ぶそうです。写真右手の紺のスーツがバイオール。
タブラオ「Los Gallos」は、もとユダヤ人街だった「サンタ・クルス街」にあります。帰りは夜遅くなりましたが、治安に不安はなくバスで帰りました。
フラメンコとは関係ありませんが、夜のセビージャで綺麗だったもの。
フィンランド木材で造られた「メトロポール・パラソル」。「Setas de Sevilla(セタスデセビージャ)セビージャのきのこ」とも呼ばれる新スポットです。
なかはショッピングモールと、工事中に発掘されたローマ時代とイスラム時代の遺跡博物館になっているそうです。
こんばんは~。さえさん。
タブラオへも行かれたんですね。
私はアントニオ・ガディスの映画「カルメン」を見てバイオールの魅力にはまりました。
フラメンコって憑りつかれてしまうような魅力があると思っています。
ガディスの死後はアドリアン・ガリアがホセ役で出ていてメッチャカッコよかったです。
ファルーカを踊ると飛び散る汗さえカッコいいと思えるくらい!
バブルの頃は、岡山でも「ラファエル・アギラール・スペイン舞踊団」や
クリスティーネ・オヨスの公演が見られましたが
今は大阪まで行かないと見られないので何年も見ていません。
ロスガリョスはこじんまりとして迫力があっていいですね。
セビージャではエル・パティオ・セビジャーノで見ましたが
大きなタブラオで、いかにも観光団体客むけといったタブラオでした。
ハレオをかける人もいませんでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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