今年も、蓮の花を見に行った。
末娘が高校に通っていた頃、毎日のように送っていたJR穴山駅の近くにある「大賀ハス池」だ。
毎朝、7時1分にナンバー「・701」の車と、駅ですれ違っていたことを覚えているから、朝6時半か40分くらいに家を出ていたはずだ。
駅からは車なら1分もかからない「大賀ハス池」へ、早起きして娘と観に行ったことを思い出す。
そんな早朝から見に来ている人は誰もおらず、朝露に濡れた下草にサンダルの足を湿らせながら、ふたりゆっくりと蓮を見て歩いた。
それももう、10年前のことになる。
この蓮は、発掘された2000年前の種をもとに研究者、大賀一郎博士が蘇らせたもので、種を発掘し花を咲かせることに成功した千葉市から譲り受けたものだそうだ。
10年だってずいぶん昔のような気がしたけれど、2000年となると途方もなく想像もつかない。
それが今、目の前にある1分1秒から成り立っているのだ。
『ツナグ~想い人の心得』を読んだばかりだからかもしれないが、今この時代に生きて、この場所で誰かと同じ花を見る。そんな小さな出来事を、”奇跡”と呼びたくなる。
2000年前にも、こうして咲いていたんですね。
それを再生させた研究者も、すばらしい。
太古の人たちは、どんな思いで見つめたのでしょう。
睡蓮は2ヶ月ほど見頃が続きますが、蓮は2週間あまりで終わってしまうそうです。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
【2000年前から蘇った古代蓮!ピンクに咲きほこる大輪の「大賀ハス池」~韮崎市穴山】
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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