フィジー語の「BULA」は「ンブラ」と発音し、時間帯にかかわらず交わす挨拶だそうだ。『なくなりそうな世界のことば』(創元社)に載っていた。
「BULA」には、「生命」「生きる」という意味があるという。
「おっ、元気にやってるか?」「よぉ、生きてるか?」と、フィジーの人たちは毎日挨拶を交わしているわけだ。
ハワイ語の「aloha」が様々な意味を持つと知ったときと同じく、新鮮だった。
alohaは「こんにちは」だけじゃなく、「ようこそ」「さようなら」「ありがとう」「愛してる」などの意味を持つ。「愛してる」も! と驚いたっけ。
alohaと挨拶を交わし、alohaと愛をささやき、alohaと礼を言い、alohaと別れる。不思議だが、素敵だ。
そしてそのハワイには、「ホ・オ・ポノポノ」という精神療法みたいなものがあって、つらいことがあったときにそれを心の中心に据えてから「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛してる」と心をこめて繰り返し唱えると、それら4つの言葉が持つ力で、つらいことや我慢できないような理不尽なことが、浄化されると言われているそうだ。
言葉が持つ力って、うーん。はかり知れない。
「生きる」って言葉を、日々何度も口にするフィジーの人たちは、生命力にあふれているんだろうなあ。
「生きる」「生命」という言葉は、日本ではちょっと重たい。パワー充電したいとき「ンブラ」とつぶやいてみるのもいいかも知れない。
トク・ビシン語の「ナティン nating」も紹介しています。
「ンブラ BULA」のページです。絵も楽しめる本です。
「アムアアムアマー AM・A・AM・AMA」
フィリピンのルソン島で使われるボントック語。お父さんのお父さんを「ちちちちち」というような言葉で、年長者の男性のこともそう呼ぶみたい。
「グイカ GUIKA」
パプア・ニューギニアのシンプー州で使われるドム語。わりと新しい言葉で、電話で話すことを「風のことば」と呼ぶようになったとか。グイは「風、空気」カは「ことば」。電話の声が、風の乗っていきそう。
「ビジン BIJIN」
ロシアのアムール川下流域で使われるウルチャ語。なにごとも、あるがまま。ムリに変えようとしないで。ウルチャ語話者は今や百人ほどだそう。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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