庭でふきのとうを探していたら、クリスマスローズが蕾をつけているのを見つけた。そして、そのすぐ近くにふきのとうも見つけた。ふきのとうたち、どうやらクリスマスローズたちを植えた辺りに進出していったらしい。
「あ、こっちもクリスマスローズ蕾つけてる」「あ、ふきのとう、みっけ」
ふきのとうを踏まないように気をつけながら、クリスマスローズの周りの落ち葉を掻き出していく。
「あらら、なんとまあ、ふたり寄り添っちゃって」
地面近くに蕾をつけたクリスマスローズとふきのとう。仲よくくっついている。
「きみ、ふきのとうだよね? もしかして、クリスマスローズのふりしてる?」
そう声をかけたくなるほど、同じ大きさの蕾たちがすまして顔を出している。何とも可愛らしい。
土のなかで、そして地面の上に顔を出し落ち葉の下で、背中をくっつけて、たがいの体温で温め合っていたのかななどと、つい考えてしまう。
人間よりは、ずいぶんと低い温度だ。だけど、人だって冷たい手と手をつないだら温かくなる。ふきのとうとクリスマスローズもそうだったのかな、と。
凍った夜に、冷え切った手と手をつないで歩く恋人たちを思い浮かべた。
そういうときには心って、指先にあるものなのかも知れない。ふきのとうとクリスマスローズも、くっついたところに今、心があるのだろうか。
ピンクのクリスマスローズ。一番大きくなった古株です。
その下に蕾を膨らませたふきのとう。クリスマスローズの葉の影がくっきり。
濃い紫色のつぼみを膨らませたものも、ありました。
その下にも、しっかりふきのとうが。
これが、仲よく並んで蕾を膨らませている姿です。
白い花がもう、咲きかけています。うれしい。
蕾がいっぱい。右下には、クリスマスローズを見上げるふきのとうが。
見つめ合うふたり(笑)クリスマスローズはうつむき、ふきのとうは見上げて。
「クリスマスローズとふきのとうが土の中で背中をくっつけて、たがいの体温で温め合っているのか」
って、なんてステキな言葉!
クリスマスローズってやさしい名ですよね。その下に蕾をふくらませたふきのとう。
開きはじめた美しいクリスマスローズに見つめれながら膨らむふきのとう。ふきのとうならずとも見上げてみたい、と思ったりして。
こうしてカメラを向けられないところで、今も人知れずひっそりと、まったりと、ものの命が育られているのですね。
土って素晴らしい!と改めて感動です。
Yasukoさん
ほんと、土って素晴らしいですね~♩
庭は林と隣接していることもあって、自然のまま放置しているような状態ですが、それでも強い植物は行き残っていくんです。
クリスマスローズは、可憐だけれどとっても強い花なんですよね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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