旅の中盤、ふたり風邪をひいた。
ひどくなると旅もままならないので、アルマグロから早々に引きあげ、ピントのアパートで休んでいる。
ひどく乾燥しているからだろうか。わたしがまず喉を痛め、常備薬にしているベンザブロックを早めに服用していたのだがまったく利かず、完全に喉と鼻の風邪になり咳が止まらなくなってしまった。
その後、夫が喉のいがらっぽさと身体のだるさを訴え始め、予定を変更し、2~3日部屋で休むことにした。
休むとなると、部屋でご飯、ということになる。
スーパーで買ってもいいんだけど、そればっかりじゃおもしろくないし、温かいものが食べたい。
先に回復したわたしが、Googleマップで調べていた徒歩2分の場所にある、鶏の丸焼きテイクアウトの店に買いに行くことにした。
この店が、ちょっと入りにくかった。
足もとまである紐暖簾で、なかがまったく見えないのである。
けれどGoogleマップを見ると、レビューも高評価で人気店だとわかる。
思い切って暖簾をくぐると、なかは明るく大きなメニューが写真入りで表示されていて、わかりやすい。
おまけに3人並んでいたので、待つあいだに買うものを決められる。
なにより焼き立ての鶏の丸焼きが焼いては出てきて、香ばしい匂いが半端ない。ぜひ買いたいと思える店だった。
スペイン語ともいえないレベルではあったけれど、普通に注文することができ、ホッとした。トラブルさえなければ、これとこれが欲しいと伝えることはできる。
少しずつ、慣れてきているのだと感じる。
それでも、メニューがわからなくて違うものが出てきたり、往復でといって買った切符が片道だったりと、些細なトラブルは当たり前の日々だけど。
スペインではよく効くといわれているトローチ「Strefen(ストレフェン)」オレンジ味。これで喉の痛みはすぐにやわらぎました。
たぶん、日本のヴィックスドロップとかより、薬用度が強いと思います。
ノートにかいて、薬局に持っていきました。
「喉が痛いのですが、薬はありますか? 熱はありません」
飲み薬とトローチを持ってきてくれたので、トローチを購入しました。
文庫本サイズのノートを、気に入って使っています。
来月の句会の兼題は「柿」「紅葉」だと連絡をもらって、日々詠もうとこのノートにメモをとっています。
こちらも薬局で買った、咳止めシロップ。
チキンの丸焼きとお惣菜のお店「ASADOR DE POLLOS EL BUEN GUSTO」。
お店のなかが見えなかったので、ちょっと戸惑いました。
ポジョ(チキン)の丸焼きは、必須。
丸焼きのメディア(半分)にしました。スープをたっぷり入れてくれたので、そのままIHレンジで温めて食卓へ。鍋敷きがないのでフライパン(笑)めっちゃ美味しかった。
一緒に買ったお惣菜。左が、蟹サラダ。右が、ロシア風ポテトサラダ。どちらも、スペインタパスの定番です。
持参したどん兵衛も、役に立ちました。
お出汁の匂いや味わいが、沁みるなあ。
スペインに来て、驚いたこと。炭酸水を開けるとき、水が派手に溢れてキッチンが水浸しになります。夫は、3回水浸しにしました。
海外でお薬をけるというのはすごいレベルです。
咳って苦しいですよね。
どん兵衛、美味しかったことでしょう。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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