初物のウドを、いただいた。
夫の帰りを待ちながら、灰汁を抜き、酢味噌和えを作る。皮もきんぴらにし、葉の部分は天麩羅にすべく酢水にさらした。
だが夫の帰りは思いのほか遅く、酢味噌和えもきんぴらも彼を待つべくキッチンでしばらく鎮座していた。
味見と称し、きんぴらをひと口食べる。美味い。
お腹が減っていることもあり、もうひと口と、口に運ぶ。美味い。
ここで、いけないいけない、と我に返る。このままでは、ひとりで全部食べてしまいそうだ。ふと、きんぴらはなかったことにしてもいいのではないかとの考えが頭をよぎる。いや。ふきのとうを食べ過ぎて瞼が腫れたことがあった。灰汁の強い山菜は食べ過ぎてはいけない。
そうは言っても、あとひと口だけ。やはり美味い。
キッチンでウドのきんぴらの誘惑に、ひとり揺れた。
そう言えば、ウドは漢字で「独活」とかき、語源はしかし、ひとり生きるではなく、ひとり動くだったことを思い出す。
大きく四方に伸びた葉が、少しの風でもゆらゆらと揺れ、それがひとりで動いているように見えたから、という説があるとか。
「独活」の誘惑に負けそうにもなるが、ひとり生きているわけではない。夫のためにきんぴらをつまみ食いしていた箸を置いた。
きれいなウドでした。ふたりで食べるには多いくらいです。
ウドの皮のきんぴら。
ウドの酢味噌和え。新鮮なので生のまま和えました。
ひらきかけた葉っぱは天婦羅にしました。甘味が濃い!
こんばんわ。
独活!今はやりの○○活かと思いましたが、ウドはこう書きますね。
一人で動く・・・なんて。
強いですね。寒風、雪にも耐えて土の中でじっくり育ち、その時を待ち一気に伸びる。
強いんですね。
強くなりたいです。独活。見習いたいですね。
ぱすさん
おはようございます♩
たしかに○○活、思い浮かべるかも知れませんね~
独り活なんていうのも、ありかも。
ウドも、強い植物ですよね。
植物には、たくさん種を飛ばしたり、いろいろな強さがあるけど、ウドにはその場所に根をはって生きる強さを感じられますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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