上の娘から、メロンが届いた。富良野メロンだ。
彼女は毎年、6月生まれの夫に、誕生日と父の日とを併せて祝ってくれる。ちょっと早めに届いたのは、追熟を待ち父の日にちょうど食べ頃になるかららしい。
北海道には、彼女が5歳の頃、家族5人で1週間かけて横断キャンプをした思い出がある。
新潟から小樽までフェリーに乗り、キャンプしながら釧路まで向かった。
7歳だった息子が、夕張メロンソフトクリームを落とし、悲壮な顔をしたことは、今も語り草になっている。末娘はまだ1歳だった。上の娘は変顔にハマっていて、ほとんどの写真に変顔で写っていたっけ。
そんなことを思い出しながら、贈ってくれたのだろう。
今年30歳になったその娘から、父の日にビデオ電話で話したいとLINEをもらい、草むしりを早めに切り上げた夕刻、ふたりパソコンの前に座った。
向こうも2年前から一緒に暮らしている彼とふたり、パソコンの前に座っていた。
「婚約しました」
その報告だった。
4人ともがなんとなくテレながら、これからのことや彼のご両親のことなどをなごやかに話した。
彼は、フランスのレユニオン島の生まれで、フランス人。ご両親もそこにいる。パリよりも、モーリシャスやマダガスカルに近い島だ。
たがいに地球の裏側と言ってもいいような場所で30年まえに生まれたふたりが、結ばれる。
なんとも不思議な感じがするけれど、地球はそう広くはないのかも知れない。
日食は見えなかったけれど、地球の裏側がちょっとだけ見えたような気がする夏至の夕刻となった。
習慣や感覚の違い、宗教のこと、それぞれの国の対応など、苦労することも多いかとも思うけれど、母はただ幸せを願うばかりである。
大玉のメロンは、久しぶり。
富良野のラベンダーが入っていました。
テーブルに飾ると、いい匂い。
4日待って、へたがしおれてきてようやく食べ頃に。
赤玉です。ちょうどいい感じに熟していました。
4分の1ずつ、贅沢にいただきました。甘ーい!
さえさん。
娘さんのご婚約。本当におめでとうございます。
遠く、異国に暮らす娘さんの幸せを、見守っていかれることでしょう。
新しいご家族。いろいろな違いも、また楽しいことですね。
いい父の日でしたね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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